“せんけん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
嬋娟43.9%
浅見17.1%
嬋妍14.6%
先見7.3%
先賢4.9%
鮮妍4.9%
擅権2.4%
尖剣2.4%
繊妍2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
食えば飽満の美味、飲めば強烈な薫酒くんしゅ、酔えば耳に猥歌甘楽わいかかんがくむれば花鳥また嬋娟せんけんの美女、——玄徳はかくて過ぎてゆく月日をわすれた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
質子ちしとしてさし出してあるわが子の松千代を斬らせ、その首を安土に見たという事実を聞かされたときは、親心として、また余りに自分を知ってくれない浅見せんけんのひと心に対して
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それに比べてきわだつ感じをお受けになることもなかろうと思われるが、なお第一の嬋妍せんけんたる美人はこれであると院はこの時驚歎きょうたんしておいでになった。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
「やはり自分の先見せんけんは過らなかった。この人こそと仰いだ期待は裏切られていない」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こういうふうに他人が吾人ごじんのために与うる訓戒も、友人が精神より述ぶる忠告も、先賢せんけんが血を流して教えた大義も、自分の身の上には直接あてはまらないように思うことの多きゆえんは
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
野には晩春を咲越へて、なほ衰へを見せない花、すでに盛夏を導いて魅力ある花、それ等に交り、当期の花は鮮妍せんけんを競つて盛上つてゐる。碧青や、浅黄をまぜて、大空は仰ぐ眼をうつとりさせる。
初夏に座す (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
彼らの擅権せんけんようやくあらわになったのは天平に入ってからであるが、その種子は既に根づよくこの時代に胚胎はいたいしていたのであった。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
蘇我そが家の擅権せんけんと陰謀は、度かさなる流血の惨事をもたらしたのであったが、摂政の位につかれて後は、しばらくはこの争いもおさまったようにみえる。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
たちまち血みどろになって大牛の死骸が投げ出され、騎士と牛の闘争が終ると、左手に赤い蔽布ひふをひるがえし、右手に尖剣せんけんをきらめかした闘牛士が徒歩で牛と立向い
バルザックの寝巻姿 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
彼が同盟を提議した婦人、しかも最初見た時から並々ならぬ美人だと思ったとおり繊妍せんけんたる容姿楚々たる風姿、その婦人の面前にあってどうしてかかる屈辱を忍ぼうや。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)