“せんえん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
遷延62.5%
千円8.3%
羨怨8.3%
凄艶4.2%
嬋娟4.2%
嬋媛4.2%
洗冤4.2%
餞宴4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
のち敷衍ふえんして『国民之友』に掲出する十回。さらに集めて一冊となさんと欲す、遷延せんえん果さず。このごろ江湖の督責とくせき急なるを以て、咄嗟とっさの間、遂にこれをす。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
利息りそくの一としてなるつたけ上等じょうとう金魚きんぎょをもつてこいつて、いやがるんです。わたしは、しゃくだから、三びきでせいぜい五千円せんえんというランチュウを、三万円まんえんだとふつかけてつてつたんですが……
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
今日、その事を思返すだけでも、明治時代と大正以後の世の中との相違が知られる。その頃の世の中には猜疑さいぎ羨怨せんえんの眼が今日ほど鋭くひかり輝いていなかったのである。
雪の日 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
緋縮緬ひぢりめんの腰巻一つになって、裸体になった女の立ち姿、それは全身水に光って人魚さながらの美女、蒼白い顔、肩に流るる黒髪、——それは凄艶せんえんにも、昇華しょうかし去りそうな美しい姿です。
歴尋れきじん嬋娟せんえんの節、翦破せんぱ蒼莨根そうろうこん、とありまするから、一〻いちいちこの竹、あの竹と調べまわった訳です。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
暮れんとする春の色の、嬋媛せんえんとして、しばらくは冥邈めいばくの戸口をまぼろしにいろどる中に、眼もむるほどの帯地おびじ金襴きんらんか。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さてこの洗冤せんえんおこなったのちにこういっている。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
されどわれは猶低徊して此方數尺の地を去ること能はざりき。市長ボデスタの家に往きては一家の人々とポツジヨとの餞宴せんえんを受けたり。