坂下さかした)” の例文
と、かへつて坂下さかした小戻こもどりにつか/\とちかづいたが、あまそばると、もやが、ねば/\としてかほきさうで、不氣味ぶきみひかへた。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
坂下さかしたでは菊人形が二三日前開業したばかりである。坂をまがる時はのぼりさへ見えた。今はたゞ声丈聞える。どんちやん/\遠くからはやしてゐる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
どこか坂下さかした町家ちょうかでたたく、追いかけるような日蓮宗の拍子木ひょうしぎ
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
これより先幕府は安政三年二月に、蕃書調所ばんしょしらべしょ九段くだん坂下さかした元小姓組番頭格ばんがしらかく竹本主水正もんどのしょう正懋せいぼうの屋敷跡に創設したが、これは今の外務省の一部に外国語学校をかねたようなもので、医術の事には関せなかった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
いつものようにぼくは坂下さかした露店ろてんばんをしていました。
道の上で見た話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ことば引向ひきむけられたやうに、三にんならんだ背後うしろひろつて、坂下さかしたから、うへまちへ、トづらりとると……坂上さかがみ今夜こんやはじめてみちとほるのではない。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
づ……ひとねんのためにまをさうに……われらがりますこれなる瓦斯燈がすとうたついま、お前樣まへさま呼留よびとめましたなり、一歩ひとあしとてあとへもまへへもうごきませぬ……これ坂下さかしたからはじめまして
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
う、かど酒屋さかやへだてられて、此處こゝからはえないが、やまのぼ坂下さかしたに、がけしぼ清水しみづがあつて、手桶てをけけて、眞桑まくは西瓜すゐくわなどをひや水茶屋みづぢややが二けんばかりあつた……それも十ねん一昔ひとむかしる。
月夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)