固有こゆう)” の例文
日本人にほんじん固有こゆう風習ふうしふてゝ外國ぐわいこく慣習くわんしふにならうは如何いかにも外國ぐわいこくたいして柔順過じうじゆんすぎるといふ怪訝けげんかんおこさしむるにぎぬとおもふ。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
かく緑色みどりいろ植物しよくぶつの、とく固有こゆういろで、われ/\はといへば、すぐにみどりいろおもさずにゐられないくらゐしたしいいろです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
しかして神道しんとうが日本民族固有こゆう観念かんねんを代表するものならば、恩誼おんぎを知るは取りもなおさず日本民族の特長であると断言してよかろうと思う。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
また支那しなあたりからはひつて文化ぶんかのほかに、むかしから日本人につぽんじんつてをつた固有こゆう文化ぶんか趣味しゆみが、やはりのこつてゐたことがられるのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
三の強藩に敵するの勇気なく、勝敗をもこころみずして降参こうさんしたるものなれば、三河武士みかわぶしの精神にそむくのみならず、我日本国民に固有こゆうする瘠我慢やせがまんの大主義をやぶ
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
アストンにしても、黒住くろずみにしても、その説くところ間違いなきをし難いが、我が固有こゆうの教えは知恩ちおんの念にてるものなりとの一条はあやまちなしと信ずる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
今後こんごするところは士族に固有こゆうする品行のなるものを存してますますこれを養い、物をついやすの古吾こごを変じて物を造るの今吾こんごとなし、あたかも商工のはたらきとって士族の精神に配合し
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
日本につぽんきつね日本につぽん固有こゆうのものでやまあなんでゐます。からだ二尺にしやくぐらゐでながく、からだの半分はんぶん以上いじようもあります。食物しよくもつおも野鼠のねずみですが、人家じんかちかいところではにはとりなどをかすめることもあります。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
何か日本に固有こゆうな思想が一つでもありはせぬかと、の目たかの目で、本邦ほんぽうの制度やら歴史やらを調べると、神道しんとうだけは純粋じゅんすいなる大和やまと民族の思想であることがわかる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)