すき)” の例文
此の通り徳利とくりを提げて来た、一升ばかり分けてやろう別に下物さかなはないから、此銭これで何ぞすきな物を買って、夜蕎麦売よそばうりが来たら窓から買え
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「お前何か食ひ度いものはないか」とか、「さうか、よし/\お前がすきなものなららう/\」
チベット人は殺生せっしょうすることが非常にすきですから一つ殺生を戒めてやろうという考えで、どうもこの子は寿命がない、誠に気の毒な事だと言っていろいろその因縁いんねんを話しました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
かかる饗応きょうおうの前でみだりに食うものでないと言い聞かされ、だんさだめし岩倉公の御不興ごふきょうを受けたであろうと思いしが、翌日にいたりこうより昨日さくじつ来た青年は菓子がすきだと見えるというて
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
これは誠に詰らないものではございますが、旦那様はおすきで入らっしゃいますから、少々ばかりですが、ホンのお見舞のしるしまでに
チベット人は馬に乗ることが非常にすきですから貴族の子供などは馬の駈競かけっこをやって始終遊んで居るけれども、貧乏人の子供はそうはいかんから野辺へ出掛けて行って馬の形をして居る岩に捉まって
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
小「フン剣客けんかく先生かえ、道理でお人柄が好いと思いました、わしすきの道だから随分懇意なものも有りますが、何流でござるか」
権「気に入らないよ、わたしはいやだよ、それより甘いものがすきだから口取くちとりか何かありそうなものだ、見附めっけて来ておくれ」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
手前は茶がすきもとより酒が嫌いだから、い菓子も買えません、くの如く困窮零落しては菓子もべられません、斯様かような結構なお茶、結構なお菓子を
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いや、馬鹿ばかはさみは使ひやうだ、おまへきらひだが、おれすきだ……弥吉やきち何処どこつた、弥吉やきちイ。弥「えゝー。長「フヽヽ返事が面白おもしろいな……さ此方こつちい。弥 ...
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
武「酒家さけのみは妙なものだな、酒屋の前を通ってぷーんと酒のにおいが致すと飲みくなる、わしも同じくごくすきだが、貴様が飲んでる処を見ると何となくうらやましくなる」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
誠に貞節な者で一体情の深い女でございますから、本当に能く亭主の看護を致して、すきな物を買って置き
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
うーむ、水までりて使ふんだな。妻「其代そのかはりおまへすきな物をとつて置いたよ。亭「え、なにを。妻「赤飯おこは。 ...
八百屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
いか、わしも筏乗で力業ちからわざすきだから時々来て一緒にやる事もあるから……旦那さま実に此の子ぐれえ感心な者はありませんよ、私イハア胸え一杯いっぺえになりやしたが
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
毎度私は和尚様から殺生をしてはならねえぞとやかましく云われるんでげすが、すきな道はめられず、毎晩うやって、どんどんへ来ては鰻の穴釣あなづりをやってるんでげすが
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あなたはお野掛けがおすきでいらっしゃいましたが、此の程はさっぱり野歩きもなさいませず、河岸ぶちへもいらっしゃいませんが、と御保養を遊ばしては如何いかゞでございます
すきでございますから三度も続けて召上る位で、誠に大悦びでいらっしゃいました……此品これは誠に詰らんものでございますが、此のお菓子は東京とうけいから参りましたから何卒どうぞ召上って
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)