トップ
>
味淋
>
みりん
ふりがな文庫
“
味淋
(
みりん
)” の例文
序でに酒屋へ行って酒を二升、
味淋
(
みりん
)
を一升ばかり、それから帰りに半紙を十
帖
(
じょう
)
ばかりに、煙草を二玉に、
草鞋
(
わらじ
)
の良いのを取って参れ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
小山の奥さん、梅干を煮ますのは最初三度ほどもよく
湯煮漏
(
ゆでこぼ
)
してそれから
味淋
(
みりん
)
とお砂糖と
鰹節
(
かつおぶし
)
を沢山入れて三時間位よく煮詰めるのです。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
皿の中の汁以外に、ワリシタを入れた器があり、それに秘伝もののワリシタが入っているのだが、その蓋を除ると、プーンと強い
味淋
(
みりん
)
の匂いがしたのを、これも判然覚えている。
牛鍋からすき焼へ
(新字新仮名)
/
古川緑波
(著)
「そのな、焼蛤は、今も町はずれの
葦簀張
(
よしずばり
)
なんぞでいたします。やっぱり
松毬
(
まつかさ
)
で焼きませぬと
美味
(
おいし
)
うござりませんで、
当家
(
うち
)
では蒸したのを差上げます、
味淋
(
みりん
)
入れて
味美
(
あじよ
)
う蒸します。」
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
昔
(
むか
)
し僕等が小石川の御寺で自炊をしている時分に鈴木の
藤
(
とう
)
さんと云う人がいてね、この藤さんが大変
味淋
(
みりん
)
がすきで、ビールの
徳利
(
とっくり
)
へ味淋を買って来ては一人で楽しみに飲んでいたのさ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
『色懺悔』というような濃艶な元禄情味を
滴
(
した
)
たらした書名が第一に人気に投じて、内容はさして
勝
(
すぐ
)
れたものではなかったが、
味淋
(
みりん
)
と
鰹節
(
かつおぶし
)
のコッテリした元禄
張
(
ばり
)
の文章味が読書界を沸騰さした。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「赤いのは」と聞けば「色で
染
(
そめ
)
やしたで」とまた扇を叩いた。色は
樺太
(
かばふと
)
のフレップ酒に似て、地の味はやはり焼酎の刺激がある。土地の名産
忍苳酒
(
にんとうしゅ
)
は
味淋
(
みりん
)
に強い特殊の香気を持たしたものらしい。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
と是から女房が支度をするのに、
前川
(
まえがわ
)
で
捕
(
と
)
れた
山女
(
やもめ
)
に
岩魚
(
いわな
)
という魚に、其の頃会津辺から𢌞る
味淋
(
みりん
)
のような
真赤
(
まっか
)
な酒で
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
玉江嬢「
鰺
(
あじ
)
のお料理も色々ございましょうね」お登和嬢「ハイ、鰺の酢煮は一度白焼にしたものを酢と
味淋
(
みりん
)
と醤油とで煮て、
摺
(
す
)
り
生姜
(
しょうが
)
をかけて出します。 ...
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
しかし主命ですから
反抗
(
はんこう
)
する訳にも行きませんので、料理人に命じて秋刀魚の細い骨を
毛抜
(
けぬき
)
で一本一本
抜
(
ぬ
)
かして、それを
味淋
(
みりん
)
か何かに
漬
(
つ
)
けたのを、ほどよく焼いて、主人と客とに勧めました。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
鮓も少し取ってくるように、それから孝助殿は酒はあがらんから五合ばかりにして、
味淋
(
みりん
)
のごく良いのを飲むのだから二合ばかり、それから
蕎麦
(
そば
)
も道中にはあるが
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
豚の三枚肉を
杉箸
(
すぎばし
)
が通るほどに
湯煮
(
ゆで
)
て一寸四角に切って水一升に酒一合
味淋
(
みりん
)
一合位な割で五時間ほどよく煮て火から卸す一時間も前に醤油を多く入れて
煮詰
(
につ
)
めるのだ。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
玉子豆腐
(
たまごどうふ
)
はどうしてできるかこれまた不明である。食うことは知っているが拵える事は全く知らない。その他
味淋
(
みりん
)
にしろ、醤油にしろ、なんにしろかにしろすべて知らないことだらけである。
道楽と職業
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それを細かく刻んで醤油と
味淋
(
みりん
)
とで一度下煮をしてその煮た汁と一緒に御飯へ
炊込
(
たきこ
)
みますが煮た汁ばかりでは味が足りませんから別に醤油とお酒を好いほどに足します。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
さア奉公人は
贔屓
(
ひいき
)
をする者もあり、又
先
(
せん
)
の
内儀
(
おかみさん
)
が
居
(
お
)
れば
斯
(
こ
)
んな事はないなどと云い、中には今度の内儀は惣菜の中に
松魚節
(
かつおぶし
)
に
味淋
(
みりん
)
を入れるから
宜
(
い
)
いなどと
小遣
(
こづかい
)
を貰うを悦ぶ者もあり
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
醤油
(
しょうゆ
)
と
味淋
(
みりん
)
は昔から交っている。しかし酒と煙草をいっしょに
呑
(
の
)
めば咳が出る。親の
器
(
うつわ
)
の方円に応じて、盛らるる水の調子を合わせる欽吾ではない。日を
経
(
へ
)
れば日を重ねて
隔
(
へだた
)
りの関が出来る。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あの
伊勢茂
(
いせも
)
さんへ、番頭さんに言付けられてお使にいったら、伊勢茂の番頭さんは誠に親切な人で、お前は酒を飲まないから
味淋
(
みりん
)
がいゝ、丁度
流山
(
ながれやま
)
ので甘いからお
飲
(
あが
)
りでないかと云われて
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
栗の含ませは先ず皮のままよく蒸してそれから皮を
剥
(
む
)
いて一升の栗ならば
味淋
(
みりん
)
二合砂糖一斤塩小匙一杯半の割で弱い火へかけて気長に煮てそのままその
汁
(
つゆ
)
へ漬けておけば長く持って段々味が出る。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
人参を
極
(
ご
)
く薄く
短冊形
(
たんざくがた
)
に
截
(
き
)
って酢と
味淋
(
みりん
)
と砂糖と塩でよく煮たのです。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
味
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
淋
漢検準1級
部首:⽔
11画
“味”で始まる語句
味
味噌
味噌汁
味方
味気
味噌漉
味噌摺
味噌漬
味善
味醂