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号
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さけ
ふりがな文庫
“
号
(
さけ
)” の例文
旧字:
號
あちらを向いていなさいと彼方を向かせ、卒然変な音を立て高く
号
(
さけ
)
び、どこが一番疼いと聞かれたら、歯が最も疼むと答うるに限る。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
言下
(
ごんか
)
に
勿焉
(
こつえん
)
と消えし
刃
(
やいば
)
の光は、早くも宮が
乱鬢
(
らんびん
)
を
掠
(
かす
)
めて
顕
(
あらは
)
れぬ。
啊呀
(
あなや
)
と貫一の
号
(
さけ
)
ぶ時、
妙
(
いし
)
くも彼は
跂起
(
はねお
)
きざまに突来る
鋩
(
きつさき
)
を
危
(
あやふ
)
く
外
(
はづ
)
して
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
傍
(
そば
)
に押し詰められているものは口々にどこだ、どこだと
号
(
さけ
)
ぶ。聞かれるものは、そこだそこだと云う。けれども両方共に焔の起る所までは行かれない。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
陳独秀! 貴方がご無事であることを祈願して、同志、万歳!と、彼女は晴れ渡った空に向って
号
(
さけ
)
ぶのであった。
地図に出てくる男女
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
その時
張廷栄
(
ちょうていえい
)
という、
県尹
(
けんいん
)
が新たに任について、
庁
(
ちょう
)
に
升
(
のぼ
)
ったところで、一疋の猴が
丹※
(
たんち
)
の下へ来て、
跪
(
ひざまず
)
いて
号
(
さけ
)
んだ。張廷栄は不思議に思って、
隷官
(
れいかん
)
に命じて猴の後をつけさした。
義猴記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
風
号
(
さけ
)
び雲走り、
怒濤澎湃
(
どとうほうはい
)
の間に立ちて、動かざること
巌
(
いわお
)
の如き日蓮上人の意気は、壮なることは壮であるが、煙波
渺茫
(
びょうぼう
)
、風
静
(
しずか
)
に波動かざる親鸞上人の胸懐はまた何となく
奥床
(
おくゆか
)
しいではないか。
愚禿親鸞
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
眠れる児童も我知らず夜具踏み脱ぐほど時候生暖かくなるにつれ、雨戸のがたつく響き烈しくなりまさり、闇に揉まるゝ松柏の梢に天魔の
号
(
さけ
)
びものすごくも、人の心の平和を奪へ平和を奪へ
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
偸児
(
どろぼう
)
!」と男の声は
号
(
さけ
)
びぬ。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小供は凡ての人の注意と同情を
惹
(
ひ
)
きつゝ、しきりに泣き
号
(
さけ
)
んで御婆さんを
探
(
さが
)
してゐる。不可思議の現象である。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
宮は
虚
(
すか
)
さず
躍
(
をど
)
り
被
(
かか
)
りて、我物得つと手に為れば、遣らじと満枝の組付くを、
推隔
(
おしへだ
)
つる
腋
(
わき
)
の下より
後突
(
うしろづき
)
に、
𣠽
(
つか
)
も
透
(
とほ
)
れと刺したる急所、一声
号
(
さけ
)
びて
仰反
(
のけぞ
)
る満枝。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
突然、ユーストンの街路の銀鈴の響が尾をひいて、馬の
踵
(
ひずめ
)
の音が静寂な空気の中に運命的な
号
(
さけ
)
びをたてた。
バルザックの寝巻姿
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
『
春秋繁露
(
しゅんじゅうはんろ
)
』におよそ卿に
贄
(
にえ
)
とるに
羔
(
こひつじ
)
を用ゆ。羔、角あれども用いず、仁を好む者のごとし。これを
執
(
とら
)
うれども鳴かず、これを殺せども
号
(
さけ
)
ばず、義に死する者に類す。
十二支考:06 羊に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
眠れる
児童
(
こども
)
も我知らず夜具踏み脱ぐほど時候生暖かくなるにつれ、雨戸のがたつく響き
烈
(
はげ
)
しくなりまさり、闇に
揉
(
も
)
まるる松柏の
梢
(
こずえ
)
に天魔の
号
(
さけ
)
びものすごくも、人の心の平和を奪え平和を奪え
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
呼べど
号
(
さけ
)
べど、宮は返らず、老婢は居らず、貫一は
阿修羅
(
あしゆら
)
の如く
憤
(
いか
)
りて起ちしが、又
仆
(
たふ
)
れぬ。仆れしを漸く
起回
(
おきかへ
)
りて、
忙々
(
いそがはし
)
く
四下
(
あたり
)
を
眴
(
みまは
)
せど、はや宮の影は在らず。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
学者これを鳥中の燕に比したほど
軽捷
(
けいしょう
)
で、『呂覧』に
養由基
(
ようゆうき
)
矢を放たざるに、猨、樹を擁して
号
(
さけ
)
び、『呉越春秋』に越処女が杖を挙げて白猨に打ち
中
(
あ
)
てたなどあるは
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
今度は黒雲の
端
(
はじ
)
を踏み鳴らして「肉を
食
(
くら
)
え」と神が
号
(
さけ
)
ぶと「肉を食え! 肉を食え!」と犬共も一度に
咆
(
ほ
)
え立てる。やがてめりめりと腕を食い切る、深い口をあけて耳の根まで胴にかぶりつく。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
電話の男がどもって
号
(
さけ
)
んだ。
女百貨店
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
一つの猿が怖れ、痛み、もしくは憂いて
号
(
さけ
)
ぶ時は一同走り往きてこれを抱え慰めたと。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
と、妾は
号
(
さけ
)
ぶのでした。
バルザックの寝巻姿
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
号
常用漢字
小3
部首:⼝
5画
“号”を含む語句
信号
号笛
怒号
符号
暗号
家号
御名号
記号
号泣
綽号
号砲
口号
信号燈
番号
哀号
雅号
俳号
屋号
救難信号
戯号
...