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午飯
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ひる
ふりがな文庫
“
午飯
(
ひる
)” の例文
なにしろ、お医者に言われると、ちゃんと、もう十年にもなりますでしょう、
家
(
うち
)
にいれば、お
午飯
(
ひる
)
は、ビフテキ一皿と、
葡萄
(
ぶどう
)
が
六顆
(
むっつ
)
ばかり。
朱絃舎浜子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「なる程さう聞いてみると食べたやうだわい。うん、食べた/\、
確
(
たしか
)
にお
午飯
(
ひる
)
は食べた。いや、飛んでもない事を言つて済まなかつたよ。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
玄關と並んで開け放たれた臺所の上り口には、家族が多いと見えて、
午飯
(
ひる
)
の食器の汚れものがずらりと置き並べてあつた。
古鏡
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
午飯
(
ひる
)
がすむと、ちょっと一服する。誰も大してはずんだようなようすは見せないが、すくなくとも、不愉快そうではない。
キャラコさん:04 女の手
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「お前たちもお
午飯
(
ひる
)
かえ。もう少し早いとお酌でもして貰うものを、惜しいことをしたっけな」と、半七はまた笑った。
半七捕物帳:08 帯取りの池
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
「はははは、松が大層待っていました。先生のお
肴
(
さかな
)
を頂こうと思って、お
午飯
(
ひる
)
も控えたって言っていましたっけ。」
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「夕方までに行けばいいのなら、お
午飯
(
ひる
)
でもすましてからにしたら、どうだえ。手紙を見たからって、そういそいで行くこともあるまいじゃないかね。」
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「もう
直
(
じき
)
午飯
(
ひる
)
でしょう」と云ったが、
躊躇
(
ちゅうちょ
)
すると思いの外、あたかも自分の部屋へでも這入るような
無雑作
(
むぞうさ
)
な態度で、敬太郎の後に
跟
(
つ
)
いて来た。そうして
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「このパンが、魔法のパンで、一口食べると、お
午飯
(
ひる
)
を食べたぐらいお腹がふくれるといいな。そうすると、これだけ皆食べたら、食べ過ぎてお腹がはちきれそうになるはずだわ。」
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
と是から
午飯
(
ひる
)
の支度を致して、
午飯
(
ひるはん
)
を
喫
(
た
)
べ終り、お定が台所で片附け物をして居ります処へ入って来ましたのは、茶屋町に居りますお
縫
(
ぬい
)
という仕立物をする人で、
好
(
よ
)
くは出来ないが
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「さうね、お
午飯
(
ひる
)
、早目にして行つて来ませう。四時頃には帰れませう。」
来訪者
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
庄太郎は、弁当を持って行って、
午飯
(
ひる
)
には帰らない。
釘抜藤吉捕物覚書:12 悲願百両
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「午飯ですつて。」下男は
態
(
わざ
)
としらばくれた顔をして笑ひ出した。「まあ、旦那様とした事が、お
午飯
(
ひる
)
は
先刻
(
さつき
)
召しあがつたぢやございませんか。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
好
(
い
)
い天気の、この日も、
午飯
(
ひる
)
すぎると、
日向
(
ひなた
)
に古足袋の
埃
(
ほこり
)
を立てて店を出たが、ひょこりと軒下へ、あと戻り。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
見せに行ってやらないと、土の下で婆さんが寂しがります。これでも生きているうちは随分仲がよかったんですからね。はははははは。ところで、あんたはお
午飯
(
ひる
)
は
半七捕物帳:10 広重と河獺
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
思ひ立つたのは
朝
(
あさ
)
であつたが、新聞を読んで愚図々々してゐるうちに
午
(
ひる
)
になる。
午飯
(
ひる
)
を
食
(
た
)
べたから、出掛様とすると、久し振に熊本
出
(
で
)
の友人が
来
(
く
)
る。漸くそれを帰したのは
彼是
(
かれこれ
)
四時過ぎである。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「もうすぐお
午飯
(
ひる
)
だのに。……でも、少しならもっておいでよ。」
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「お
午飯
(
ひる
)
どころか、朝飯も、晩飯もあったものじゃアないわ。」
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
「あとで聞いたら何だとさ、途中の都合やら、何やかやで、まだその時お
午飯
(
ひる
)
さえあがらなかった、お弱い
身体
(
からだ
)
に、それだもの、夜露に冷えて
堪
(
たま
)
るものかね。」
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
忘れもしません、ちやうど今から二千五百万年以前にも、
檀那
(
だんな
)
は今日のやうに、手前どもの店でお
午飯
(
ひる
)
を
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「私、お
午飯
(
ひる
)
もいただきませんでしたの。」
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
……遅めの
午飯
(
ひる
)
に、——潟で
漁
(
と
)
れる——わかさぎを焼く
香
(
におい
)
が、淡く遠くから匂って来た。暖か過ぎるが雨にはなるまい。赤蜻蛉の羽も、もみじを
散
(
ちら
)
して、青空に透通る。
夫人利生記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
けれども、
午飯
(
ひる
)
のお
誂
(
あつらえ
)
が持出されて、湯上りの二人と向合う、
鯒
(
こち
)
のあらいが氷に乗って、
小蝦
(
こえび
)
と胡瓜が
揉合
(
もみあ
)
った処を見れば無事なものです。しかも
女連
(
おんなれん
)
はビイルを飲む。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おかげで腹あんばいも至ってよくなったし、……
午飯
(
ひる
)
を抜いたから、晩には入り合せにかつ食い、大いに飲むとするんだが、いまね、伊作さんが渋苦い顔をして池を
睨
(
にら
)
んで行きました。
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と謹んで色には出ぬが、
午飯
(
ひる
)
に
一銚子
(
ひとちょうし
)
賜ったそうで、早瀬は怪しからず可い機嫌。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
根岸
(
ねぎし
)
の
相坂
(
あひざか
)
の
團子屋
(
だんごや
)
の
屋臺
(
やたい
)
へ
立
(
た
)
つた。……
其
(
そ
)
の
近所
(
きんじよ
)
に
用達
(
ようたし
)
があつた
歸
(
かへ
)
りがけ、
時分時
(
じぶんどき
)
だつたから、
笹
(
さゝ
)
の
雪
(
ゆき
)
へ
入
(
はひ
)
つて、
午飯
(
ひる
)
を
濟
(
す
)
ますと、
腹
(
はら
)
は
出來
(
でき
)
たし、
一合
(
いちがふ
)
の
酒
(
さけ
)
が
好
(
よ
)
く
利
(
き
)
いて、ふら/\する。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
低声
(
こごえ
)
でたしなめるように云った、(先刻のあんなもの)は——鮪の茶漬で——慶喜公の邸あとだという、
可懐
(
なつか
)
しいお茶屋から、わざと取寄せた
午飯
(
ひる
)
の馳走の中に、刺身は江戸には限るまい
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“午飯”の意味
《名詞》
昼食。
(出典:Wiktionary)
午
常用漢字
小2
部首:⼗
4画
飯
常用漢字
小4
部首:⾷
12画
“午飯”で始まる語句
午飯時
午飯前
午飯過
午飯頃