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『古鏡』
ふりがな文庫
『
古鏡
(
ふるかがみ
)
』
暗い野路を歩いて來た者の眼に、S遊廓の灯は燦爛と二列に輝いてゐた。けれども、少し光りに馴れた者の眼には、莫迦に燈火の乏しい、喪に服してゐるやうな街だつた。處々に深い闇が溜つてゐた。 格子の中では赤い裾が金魚のやうに泳ぎ、ざわめき、黴と酒とア …
著者
若杉鳥子
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
文字種別
旧字旧仮名
読書目安時間
約13分(500文字/分)
朗読目安時間
約22分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
良人
(
やど
)
午飯
(
ひる
)
媚態
(
しな
)