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剥取
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はぎと
ふりがな文庫
“
剥取
(
はぎと
)” の例文
ほうしょの黒の五つ紋(借りもの)を
鴨居
(
かもい
)
の釘に
剥取
(
はぎと
)
られて、大名縞とて、笑わせる、よれよれ
銘仙
(
めいせん
)
の口綿一枚。素肌の寒さ。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
女等は衣類まで
剥取
(
はぎと
)
られて、みじめな
態
(
さま
)
になつたが、この事を聞いた将門は良兼とは異つた性格をあらはした。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
安土竜太郎がふいに立って外へ出て行ったかと思うと、間もなく赤葡萄酒の——途中で日本製のあくどいレッテルを
剥取
(
はぎと
)
って——
壜
(
びん
)
を二三本抱えて戻って来る。
溜息の部屋
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
咽喉から腹、腹から足、と次第に黒い毛皮が
剥取
(
はぎと
)
られる。膏と血との
臭気
(
にほひ
)
は斯の屠牛場に満ち
溢
(
あふ
)
れて来た。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
大概
(
たいがい
)
に
洞察
(
みぬかれ
)
し樣子にて扨ては
怪
(
あやし
)
き事なりその女を
殺
(
ころ
)
し又昌次郎梅等が
着物
(
きもの
)
を着せ置傳吉に
難儀
(
なんぎ
)
を掛罪に
陷
(
おと
)
さんと
計
(
はか
)
りしやも知難し首を
隱
(
かく
)
す程なれば
着類
(
きもの
)
をも
剥取
(
はぎと
)
るべきに夫を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
物をもいわず裲襠を
剥取
(
はぎと
)
ってずたずたに引裂き鼈甲の櫛笄や
珊瑚
(
さんご
)
の
簪
(
かんざし
)
をば
惜気
(
おしげ
)
もなく
粉微塵
(
こなみじん
)
に
踏砕
(
ふみくだ
)
いた
後
(
のち
)
、女を川の中へ投込んだなり、いかにも
忙
(
せわ
)
しそうに川岸をどんどん駈けて行く。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
見付け次第に
欺
(
だま
)
したり
剥取
(
はぎと
)
ったりして親船へ持運びして、女の
好
(
い
)
いなア
頭
(
かしら
)
の妾、また頭の気に入らぬ女は寄って
群
(
たか
)
って勝手にした其の上に、新潟の
廓
(
くるわ
)
へ売飛ばすという寸法で、悪事に悪事を重ねる
中
(
うち
)
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そして、洋服を
剥取
(
はぎと
)
ると、ドアーの鍵を出して改めた。
鱗粉
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
次郎の寝顔から
剥取
(
はぎと
)
って来た
出目洞白
(
でめどうはく
)
の
般若
(
はんにゃ
)
の神作。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
懐中ものまで
剥取
(
はぎと
)
られた上、
親船
(
おやぶね
)
、
端舟
(
はしけ
)
も、
斧
(
おの
)
で、ばら/\に
摧
(
くだ
)
かれて、
帆綱
(
ほづな
)
、
帆柱
(
ほばしら
)
、離れた釘は、
可忌
(
いまわし
)
い
禁厭
(
まじない
)
、
可恐
(
おそろし
)
い
呪詛
(
のろい
)
の用に、
皆
(
みんな
)
奪
(
と
)
られて
了
(
しま
)
つたんです。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
抵抗
(
てむかひ
)
も
成
(
な
)
らず
裸
(
はだか
)
にされて、
懷中
(
くわいちう
)
ものまで
剥取
(
はぎと
)
られた
上
(
うへ
)
、
親船
(
おやぶね
)
、
端舟
(
はしけ
)
も、
斧
(
をの
)
で、ばら/\に
摧
(
くだ
)
かれて、
帆綱
(
ほづな
)
、
帆柱
(
ほばしら
)
、
離
(
はな
)
れた
釘
(
くぎ
)
は、
可忌
(
いまはし
)
い
禁厭
(
まじなひ
)
、
可恐
(
おそろし
)
い
呪詛
(
のろひ
)
の
用
(
よう
)
に、
皆
(
みんな
)
奪
(
と
)
られて
了
(
しま
)
つたんです。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
主人はハツタと
睨附
(
ねめつ
)
け、「畜生よ、男は一刀に
斬棄
(
きりす
)
てたれど、
汝
(
おのれ
)
には
未
(
ま
)
だ
為
(
せ
)
むやうあり」と
罵
(
のゝし
)
り狂ひ、
呆
(
あき
)
れ惑ふお村の黒髪を
把
(
と
)
りて、廊下を
引摺
(
ひきず
)
り縁側に
連行
(
つれゆ
)
きて、有無を謂はせず衣服を
剥取
(
はぎと
)
り
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
剥
部首:⼑
10画
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
“剥取”で始まる語句
剥取暦