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分明
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ぶんみやう
ふりがな文庫
“
分明
(
ぶんみやう
)” の例文
そして静かに
諦聴
(
たいちやう
)
すると
分明
(
ぶんみやう
)
に其の一ツのザアッといふ音にいろ/\の其等の音が確実に存して居ることを認めて、アヽ然様だつたかナ、なんぞと思ふ中に
観画談
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
未嘗
(
いまだかつて
)
承り及ばざる所に御座候へば、切支丹宗門の邪法たる儀此一事にても
分明
(
ぶんみやう
)
致す可く、別して伴天連当村へ参り候節、春雷頻に震ひ候も、天の彼を憎ませ給ふ所かと推察仕り候。
尾形了斎覚え書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
見遣
(
みや
)
られ只今
承
(
うけた
)
まはる通り九助が裾に血の付て居るの鼻紙入が落てありしのとばかりでは甚はだ
分明
(
ぶんみやう
)
ならず然ば
篤
(
とく
)
と
思慮
(
しりよ
)
いたし事故明白に申立よと有りしにぞ九郎兵衞は
神妙
(
しんめう
)
らしく
徐々
(
そろ/\
)
首
(
かうべ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
然
(
しか
)
れども
花
(
はな
)
開
(
ひら
)
いて
絢爛
(
けんらん
)
たり。
昌黎
(
しやうれい
)
植
(
う
)
うる
處
(
ところ
)
、
牡丹
(
ぼたん
)
もと
紫
(
むらさき
)
、
今
(
いま
)
は
白紅
(
はくこう
)
にして
縁
(
ふち
)
おの/\
緑
(
みどり
)
に、
月界
(
げつかい
)
の
採虹
(
さいこう
)
玲瓏
(
れいろう
)
として
薫
(
かを
)
る。
尚
(
な
)
ほ
且
(
か
)
つ
朶
(
はなびら
)
ごとに
一聯
(
いちれん
)
の
詩
(
し
)
あり。
奇
(
き
)
なる
哉
(
かな
)
、
字
(
じ
)
の
色
(
いろ
)
分明
(
ぶんみやう
)
にして
紫
(
むらさき
)
なり。
花間文字
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
迅雷
(
じんらい
)
風烈を放ち出す手は、また一隻の雀をだに故なくして地に
墮
(
おと
)
すことなきなり。わが久しき間の經歴は我前に現じて一瞬時の事蹟に同じく、神の
扶掖嚮導
(
ふえききやうだう
)
の絲は
分明
(
ぶんみやう
)
に辨識せられたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
こは
分明
(
ぶんみやう
)
に
老女
(
おうな
)
の首なりしなり。我はこの
褐
(
かち
)
いろの顏、半ば開ける
眶
(
まぶた
)
、格子の外に洩れ出でゝ風に亂るゝ銀髮を凝視して、我脈搏の忽ち亢進するを覺えき。われは眼を壁に懸けたる石版に注げり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
硝子
(
ガラス
)
戸から客間を
覗
(
のぞ
)
いて見ると、
雨漏
(
あまも
)
りの
痕
(
あと
)
と鼠の食つた穴とが、白い紙張りの
天井
(
てんじやう
)
に
斑々
(
はんぱん
)
とまだ残つてゐる。が、十畳の座敷には、赤い
五羽鶴
(
ごはづる
)
の
毯
(
たん
)
が敷いてあるから、畳の古びだけは
分明
(
ぶんみやう
)
でない。
東京小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
砂利
(
じやり
)
に摺付
暫
(
しば
)
らく
泣伏
(
なきふし
)
居たりける越前守殿
否
(
いな
)
是
(
これ
)
には何か深き仔細ありと見て取られ
押返
(
おしかへ
)
して如何に久八其方事御
所刑
(
しおき
)
の儀は願はずとも
遁
(
のが
)
るゝ事に非ず
然
(
さり
)
ながら
公儀
(
こうぎ
)
に於ては
事實
(
ことがら
)
の
分明
(
ぶんみやう
)
ならざる上は假にも御
所刑
(
しおき
)
には爲給はず其方唯今申たるには千太郎を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
わが始て居向ひしとき、姫は
分明
(
ぶんみやう
)
に我を認むるさまなりき。かの老いたる猶太婦人の詞すくなく、
韈
(
くつした
)
編めるも、わがためには一人の證人なり。されどアヌンチヤタは生れながらの猶太婦人にあらず。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
分
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
明
常用漢字
小2
部首:⽇
8画
“分”で始まる語句
分
分別
分限
分際
分娩
分捕
分限者
分銅
分疏
分量