人種じんしゆ)” の例文
食物のきらひと云ふ事は一家族の中にさへ有る事故、異りたる國民、異りたる人種じんしゆの間に於ては猶更なほさら甚しき懸隔けんかくを見るものなり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
『すると、あのいしをのいしやぢりや、あれ同時代どうじだい製作せいさくですか』といてると。『うです、三千ねんぜんのコロボツクル人種じんしゆ遺物ゐぶつです。 ...
また人種じんしゆおなじでも、あたらしい文化ぶんかがはひつてたゝめに、土器どき相違そうい出來できたのかもれないのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
南無三なむさん。」とわたくし逡巡しりごみした。おほく白晢はくせき人種じんしゆあひだ人種じんしゆちがつた吾等われら不運ふうんにも彼等かれらとまつたのである。わたくし元來ぐわんらい無風流ぶふうりうきはまるをとこなのでこの不意打ふいうちにはほと/\閉口へいこうせざるをない。
『四かいいへとする』ほどのひろ心持こゝろもちもない。國語こくご風俗ふうぞく人種じんしゆとの關係上くわんけいじやう世界せかいらゆる國民こくみんらゆる人種じんしゆたいして、『一視同仁しどうじん』といふほどの、まつたおなしたしみをかんるとはへない。
三四郎はかきたねしながら、この男のかほを見てゐて、なさけなくなつた。今の自分と、此男と比較して見ると、丸で人種じんしゆちがふ様な気がする。此男の言葉のうちには、もう一遍学生生活がして見たい。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それでは日本につぽんにおいて石器せつき使つかつてゐた人間にんげんは、われ/\の祖先そせんであるか、またはべつ人種じんしゆであるかといふことになりますと、これはなか/\むつかしい問題もんだいでありますが
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
新石器時代しんせつきじだい舊石器時代きゆうせつきじだいくらべて、人種じんしゆうへにも文化ぶんかうへにも餘程よほどちがつたものがあり、この時代じだいになると、人種じんしゆはもちろん現在げんざい世界せかい人種じんしゆとまったくおなしゆぞくしてゐるし
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)