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井桁
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ゐげた
ふりがな文庫
“
井桁
(
ゐげた
)” の例文
お六が煮え立つた二度目の湯を持つて來てくれたので、直ぐ使へるやうにいつもの通りその大釜を
井桁
(
ゐげた
)
の上へ置いたのが惡かつたんです。
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
落
(
お
)
ち
掛
(
か
)
けた
日
(
ひ
)
が
少時
(
しばし
)
竹藪
(
たけやぶ
)
を
透
(
とほ
)
して
濕
(
しめ
)
つた
土
(
つち
)
に
射
(
さ
)
し
掛
(
か
)
けて、それから
井戸
(
ゐど
)
を
圍
(
かこ
)
んだ
井桁
(
ゐげた
)
に
蒞
(
のぞ
)
んで
陰氣
(
いんき
)
に
茂
(
しげ
)
つた
山梔子
(
くちなし
)
の
花
(
はな
)
を
際立
(
はきだ
)
つて
白
(
しろ
)
くした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
工學士
(
こうがくし
)
は、
井桁
(
ゐげた
)
に
組
(
く
)
んだ
材木
(
ざいもく
)
の
下
(
した
)
なる
端
(
はし
)
へ、
窮屈
(
きうくつ
)
に
腰
(
こし
)
を
懸
(
か
)
けたが、
口元
(
くちもと
)
に
近々
(
ちか/″\
)
と
吸
(
す
)
つた
卷煙草
(
まきたばこ
)
が
燃
(
も
)
えて、
其
(
その
)
若々
(
わか/\
)
しい
横顏
(
よこがほ
)
と
帽子
(
ばうし
)
の
鍔廣
(
つばびろ
)
な
裏
(
うら
)
とを
照
(
て
)
らした。
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
取て
突退
(
つきの
)
け名主手代を左右へ
押分
(
おしわけ
)
て
動乎
(
どつか
)
と
居
(
すわ
)
りし男を見れば下に
結城紬
(
ゆふきつむぎ
)
の小袖二ツ上は
紺紬
(
こんつむぎ
)
に二ツ
井桁
(
ゐげた
)
の
紋所
(
もんどころ
)
付
(
つき
)
し小袖を着五本手縞の
半合羽
(
はんかつぱ
)
を
羽折
(
はをり
)
鮫鞘
(
さめざや
)
の大脇差を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
製材された板片の
井桁
(
ゐげた
)
に積み上げられたものが、人に押されてばりばりとくづれ落ちる音がした。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
▼ もっと見る
いつも 行く者の 心に つき添つて 離れない 脈搏 の
井桁
(
ゐげた
)
、それを縫つて
札幌の印象
(新字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
路の傍に
田舎
(
ゐなか
)
には何処にも見懸ける不潔な
肥料溜
(
こやしだめ
)
があつて、それから
薪
(
まき
)
を積み重ねた小屋、雑草の
井桁
(
ゐげた
)
の間に満遍なく生えて居る古い
井
(
ゐど
)
、高く夕日の影に懸つて見える
桔※
(
はねつるべ
)
、猶その前に
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
霧
沸々
(
ふつ/\
)
として到るに
遇
(
あ
)
ふ、天そゝり立つ大嶽とは
是
(
こ
)
れか、眼前三四尺のところより胴切に遇ひて、
殆
(
ほと
)
んど山の全体なるかを想はしむ、下界
屡
(
しばし
)
ば見るところの
井桁
(
ゐげた
)
ほどなる雲の穴より
或
(
あるい
)
は
皺
(
しわ
)
を延ばし
霧の不二、月の不二
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
見ると
井桁
(
ゐげた
)
の下のあたり、流しから溢れた水が
凍
(
こほ
)
つて、水垢離でも取らなければ、と思ふほどの濡れやうです。
銭形平次捕物控:178 水垢離
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
東西南北に 確実な
井桁
(
ゐげた
)
(市の 動脈)を 打ち重ねた 北海の 首府——
札幌の印象
(新字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
井桁
(
ゐげた
)
は
栗材
(
くりざい
)
の頑丈なもので、この邊の井戸は深いせゐか、車も
釣瓶
(
つるべ
)
も誤魔化しのない立派なものです。
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
札幌は石狩原野の大開墾地に圍まれ、六萬の人口を抱擁する都會で、古い京都のそれよりも一層正しく、東西南北に確實な
井桁
(
ゐげた
)
を刻み、それがこの都會の活きた動脈であるかの樣に強い感じを與へる。
泡鳴五部作:03 放浪
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
井戸の
蓋
(
ふた
)
を拂つて見ると、危ない
井桁
(
ゐげた
)
に荒繩で吊られ、水肌すれ/\にブラ下がつて居るのは、
蜘蛛
(
くも
)
の巣にかゝつた、美しい
蝶
(
てふ
)
のやうな娘の姿——それは
紛
(
まぎ
)
れもないお筆の
銭形平次捕物控:164 幽霊の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
灌木
(
くわんぼく
)
の葉と枯葉とに埋め殘されて、空井戸の口は黒々と見えて居りますが、古い御影の
井桁
(
ゐげた
)
が崩れたなりに殘つて居るので、さすがに怪我や
過
(
あやま
)
ちで墜ち込む心配はありません。
銭形平次捕物控:197 罠に落ちた女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
病氣のせゐだよ——ところで、澤庵石を井戸へ落した
術
(
て
)
をもう一度くり返して、今度は井戸車を使つて
井桁
(
ゐげた
)
の大釜を引つくり返した。仕掛けの綱は、物置の中に投り込んであつたよ。
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
曲者はさう言ひ乍ら、用意したらしい手燭と火打道具を
井桁
(
ゐげた
)
の上に置くのでした。
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
山の手の井戸で、水肌までは四間あまり、
釣瓶
(
つるべ
)
は引上げて、
井桁
(
ゐげた
)
の外に乾してあるのは、夏場でなければ滅多に使はないためでせう。それにしても、この凧糸の
謎
(
なぞ
)
は容易に解けません。
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さう思つて見れば、
朽
(
く
)
ちかけた
井桁
(
ゐげた
)
に、
微
(
かす
)
か乍ら泥足の跡が附いて居ります。
銭形平次捕物控:153 荒神箒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「行つて見よう。——その井戸の中が怪しい。
井桁
(
ゐげた
)
の下まで泥だらけだ」
銭形平次捕物控:153 荒神箒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
井桁
(
ゐげた
)
につかまつて、井戸へ落ちるのだけは助かりましたが、氣が付いて見ると、水を汲む時立つ場所へ、繩で
罠
(
わな
)
を仕掛けて置いて、
梁
(
はり
)
を通して、繩の端を向うから引くやうにしてあつたんです。
銭形平次捕物控:024 平次女難
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「だから敷石を
剥
(
は
)
いだり、
井桁
(
ゐげた
)
を
崩
(
くづ
)
したり、土藏の壁まで崩しましたよ」
銭形平次捕物控:149 遺言状
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
井
常用漢字
小4
部首:⼆
4画
桁
常用漢字
中学
部首:⽊
10画
“井桁”で始まる語句
井桁樓
井桁格子
井桁伊勢屋
井桁屋米藏