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事
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こた
ふりがな文庫
“
事
(
こた
)” の例文
「ばかをいうぜ。お豊の前でそんな事いうやつがあるものか。お豊、
母
(
おっか
)
さんの言ってる
事
(
こた
)
ア皆うそだぜ、
真
(
ま
)
に受けるなよ」
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「ハハハ。そんな
事
(
こた
)
アもうどうでもいいんだ。今日は文句はねえ。
手前
(
てめえ
)
行って大ビラであの
死骸
(
コツ
)
を片付けて来い。
船長
(
おやじ
)
には俺が行って話を付けてやる」
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
何も済まねえッて
事
(
こた
)
アありやしねえだ。よう、
姉
(
あね
)
さん、お前に寒かったり冷たかったり、辛い思いさ、さらせめえと思うだから、
兄哥
(
あにや
)
がそうして働くだ。
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「何もこんな野郎を相手にぐずぐずいう
事
(
こた
)
あねえ」と、もう一人の庭番が口を出した。粗ラシャの
外套
(
がいとう
)
の前をはだけて、帯に
鍵
(
かぎ
)
をぶらさげた大男である。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
喜「今な、禁裏さまや公方様が
喰
(
くら
)
って、丁寧な
事
(
こた
)
ア云えねえが、御三家御三卿が
喰
(
くら
)
う酒で番太郎風情が戴ける物じゃねえんだが、殿様が遣ると仰しゃって戴いた」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
「金田さんでも恐れねえかな、厄介な
唐変木
(
とうへんぼく
)
だ。
構
(
かま
)
あ
事
(
こた
)
あねえ、みんなで
威嚇
(
おど
)
かしてやろうじゃねえか」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そうかい。ちっとも知らなかった。酒なんざ
呑
(
の
)
まないに越した
事
(
こた
)
アないよ。呑みゃアつい間違いのもとだからね。おかみさん、いい御亭主を持ちなすってどんなに仕合せだか知れないよ。」
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「おいおいそんな
事
(
こた
)
あ、往来でいうこっちゃあねえ。何をいやがるんで」
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わたしたちが若か時分な、腹が痛かてて寝る
事
(
こた
)
なし、産あがりだて十日と寝た事アあいません。世間が開けて
来
(
く
)
っと皆が
弱
(
よお
)
うなり申すでな。はははは。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
ソレ
行燈
(
あんどん
)
を
其方
(
そっち
)
へ遣っちまっちゃア見る事が出来やあしねえ、本当にこんな金目の物を
一時
(
いちどき
)
に取った程
楽
(
たのし
)
みな
事
(
こた
)
アねえぜ、コウ
余
(
あんま
)
り明る過ぎらア、行燈へ何か掛けねえ
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あの小僧の
曰
(
いわ
)
く因縁、故事来歴を知らねえから平気で雇ったに
違
(
ちげ
)
えねえんだ。悪い
事
(
こた
)
あ云わねえから早く
船長
(
おやじ
)
に話して、あの小僧を降してもらいな。
多人数
(
おおぜい
)
の云う
事
(
こた
)
あ聴いとくもんだ。
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
難かしい
事
(
こた
)
あない、
娘
(
あま
)
さい無事なら可いんでしょう。そこは心得てまさ、義作が心得たといっちゃあ、馬に
引摺
(
ひきず
)
られたからとあって御信仰が薄いでしょうが、滝大明神が心得てついてます。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
慾が
無
(
ね
)
い
事
(
こた
)
アねえ、是で慾張って居るだが、
何方
(
どっち
)
かというと足癖の
悪
(
わり
)
い馬ア
曳張
(
ひっぱ
)
って、下り坂を歩くより、兄いと二人で
此処
(
こけ
)
え来て、斯う遣って酔って居れば
好
(
い
)
いからね
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しかしここまで来て煮え湯を呑まされるような
事
(
こた
)
ああるめえと思うよ。ウオル街の連中は
西比利亜
(
シベリア
)
の利権に
涎
(
よだれ
)
を垂らしているし、軍事機密局だって日本の石油の秘密タンクには頭痛鉢巻だかんな。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
旦那を殺すの恥を掻かせるのとは
何
(
なん
)
のことでござんす、
此方
(
こち
)
とらア自分の命を棄てゝも旦那を助ける覚悟だ、又一旦思い込んだ
事
(
こた
)
ア
一寸
(
いっすん
)
も
後
(
あと
)
へ
退
(
ひ
)
かねえ此の亥太郎でござんすぜ
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「わかってるよ。それ位の
事
(
こた
)
あ」
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
薪
(
まき
)
かなんぞじゃアあるめえし、一本の二本のと転がっちゃアいねえよ、旦那え、こういう
事
(
こた
)
ア一
体
(
たえ
)
此方
(
こっち
)
で上げる心持
次第
(
しでい
)
のもので、
幾許
(
いくら
)
かくらと限られるものじゃアねえと思いやす
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何だか嬉しくって成らねえ
事
(
こた
)
ア
無
(
ね
)
えね、もし旦那忘れもしない六年
跡
(
あと
)
のお祭で、兼ちゃんが思い切ってずうっと
手古舞
(
てこまい
)
になって出た姿が
大評判
(
おおひょうばん
)
で、半ちゃんがその時の姿を見て
岡惚
(
おかぼれ
)
をして
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
甚「ウン、ナニ些とも驚く
事
(
こた
)
アねえ、結構じゃアねえか」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“事”の意味
《名詞》
事(こと)
ある一時期におこる、まとまったひとつらなりの動き。ことがら。できごと。
他の語句を体言にする。
予定、必然や軽い命令を表す。
(出典:Wiktionary)
“事”の解説
事(こと)、事(じ)。
(出典:Wikipedia)
事
常用漢字
小3
部首:⼅
8画
“事”を含む語句
事情
事実
事件
他事
好事
食事
何事
好事家
事實
事故
大事
無事
仕事
情事
事業
徒事
善事
曲事
一事
万事
...