不調法ぶてうはふ)” の例文
彼者かのもの迷惑めいわくして、「つひに獻立こんだてつかまつりたるおぼえござなく、其道そのみちいさゝか心得候こゝろえさふらはねば、不調法ぶてうはふさふらふ此儀このぎ何卒なにとぞ餘人よじん御申下おんまをしくださるべし」とこうじたるさまなりけり。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わたのこり六十兩はおのれものとし是迄に掠取かすめとりし金と合せ見るに今は七百兩餘に成ければ最早もはや長居ながゐは成難しと或日役所やくしよにてわざいさゝかの不調法ぶてうはふを仕出し主人へ申譯立難たちがたしとて書置かきおき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
をとこはうすさびしきかほみをうかべて貴孃あなたといふことりませぬので、んだわがまゝの不調法ぶてうはふ、さ、おのりりなされ、おともをしまする、さぞ不意ふいでおおどろきなさりましたろう、くるまくとふもばかり
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そへて此方へおくられ拙者迄せつしやまで落度おちどをさせ重々ぢう/\不調法ぶてうはふ斯樣かやう不埓ふらちにて御役がつとまるべきや不屆ふとゞ至極しごくなり揚屋あがりやいり申付るとりしかば同心とびかゝり粂之進くめのしん肩衣かたぎぬはねたちまちなは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わたくし不調法ぶてうはふにていたしかたござなく、それ精一杯せいいつぱいさふらふ」とひたひあせしてきこぐる。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
味岡勇右衞門のはなししに依て承知致し呼に遣したり太儀たいぎながら療治れうぢたのむと云るゝにぞ城富不調法ぶてうはふの私し御召に預りまして有難く候と云つゝそば摺寄すりより療治れうぢに掛りしにもとより鍼術に妙を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)