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下道
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したみち
ふりがな文庫
“
下道
(
したみち
)” の例文
時は九月の初め、
紅塵
(
こうぢん
)
飜
(
ひるが
)
へる街頭には
尚
(
な
)
ほ
赫燿
(
かくやく
)
と暑気の残りて見ゆれど、
芝山内
(
しばさんない
)
の森の
下道
(
したみち
)
行く袖には、早くも秋風の涼しげにぞひらめくなる
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
偶
(
ふ
)
と紫玉は、
宵闇
(
よいやみ
)
の森の
下道
(
したみち
)
で
真暗
(
まっくら
)
な大樹巨木の
梢
(
こずえ
)
を仰いだ。……思い掛けず空から呼掛けたように聞えたのである。
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
言辞の森の
下道
(
したみち
)
を
辿
(
たど
)
って、その香気を嗅ぎ分けるときに、人々は直ちに魅了される。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
片側町
(
かたかはまち
)
なる
坂町
(
さかまち
)
は
軒並
(
のきなみ
)
に
鎖
(
とざ
)
して、
何処
(
いづこ
)
に
隙洩
(
すきも
)
る
火影
(
ひかげ
)
も見えず、旧砲兵営の
外柵
(
がいさく
)
に
生茂
(
おひしげ
)
る
群松
(
むらまつ
)
は
颯々
(
さつさつ
)
の響を
作
(
な
)
して、その
下道
(
したみち
)
の
小暗
(
をぐら
)
き空に
五位鷺
(
ごいさぎ
)
の
魂切
(
たまき
)
る声消えて、夜色愁ふるが如く
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
暗い
木
(
こ
)
の
下道
(
したみち
)
を歩いていて、突然そう云われた時に、私は又してもギョッとした。相手がえたいの知れぬ、恐ろしい男に見えて来た。と同時に、彼に対する興味も一段と加わって来た。
目羅博士の不思議な犯罪
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
駒かへしこなたの森の
下道
(
したみち
)
を
北村透谷詩集
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
偶
(
ふ
)
と紫玉は、
宵闇
(
よいやみ
)
の森の
下道
(
したみち
)
で
真暗
(
まっくら
)
な大樹巨木の
梢
(
こずえ
)
を仰いだ。……思ひ
掛
(
が
)
けず空から
呼掛
(
よびか
)
けたやうに聞えたのである。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
玉川
砂礫
(
ざり
)
を敷きたる
径
(
こみち
)
ありて、
出外
(
ではづ
)
るれば子爵家の
構内
(
かまへうち
)
にて、
三棟
(
みむね
)
並べる
塗籠
(
ぬりごめ
)
の
背後
(
うしろ
)
に、
桐
(
きり
)
の木高く
植列
(
うゑつら
)
ねたる
下道
(
したみち
)
の清く掃いたるを
行窮
(
ゆきつむ
)
れば、
板塀繞
(
いたべいめぐ
)
らせる
下屋造
(
げやつくり
)
の煙突より
忙
(
せは
)
しげなる
煙
(
けふり
)
立昇りて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
屈竟
(
くつきやう
)
なる
壯佼
(
わかもの
)
具
(
ぐ
)
したるが、
車
(
くるま
)
の
輪
(
わ
)
も
緩
(
ゆる
)
やかに、
彼
(
か
)
の
蜘蛛手
(
くもで
)
の
森
(
もり
)
の
下道
(
したみち
)
を、
訪
(
と
)
ふ
人
(
ひと
)
の
家
(
いへ
)
を
尋
(
たづ
)
ね
惱
(
なや
)
みつと
覺
(
おぼ
)
しく、
此處
(
こゝ
)
彼處
(
かしこ
)
、
紫陽花
(
あぢさゐ
)
咲
(
さ
)
けりと
見
(
み
)
る
處
(
ところ
)
、
必
(
かなら
)
ず、
一時
(
ひととき
)
ばかりの
間
(
あひだ
)
に
六度
(
むたび
)
七度
(
なゝたび
)
出
(
い
)
であひぬ。
森の紫陽花
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
道
常用漢字
小2
部首:⾡
12画
“下”で始まる語句
下
下手
下駄
下手人
下谷
下婢
下総
下司
下野
下僕