“へた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
下手86.3%
蔕7.0%
拙4.3%
下拙0.5%
戸田0.5%
拙手0.5%
厴0.3%
凹0.3%
平0.3%
蒂0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いよ/\以つてお前とは附き合ひたくないよ。人の女房に惚れて、下手(へた)な碁などを打ちに通ふとは、何といふ間拔な深草(ふかくさ)の少將だ」
すべすべとふくれてしかも出臍(でべそ)という奴(やつ)、南瓜(かぼちゃ)の蔕(へた)ほどな異形(いぎょう)な者を片手でいじくりながら幽霊(ゆうれい)の手つきで、片手を宙にぶらり。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
イヤ、思はず識らずウツケ千萬な、ヌカリ切つて拙(へた)た石を下しさうな事では有るまいか。數學の問題が解決出來ぬどころでは無い。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「そんなに姉さんが恋しいの。人形のお話は、私も聞いて泣いていました。ほんとうに貴下、そんなじゃ情婦(いろ)は出来ない。口説くのは下拙(へた)だし、お金子(かね)は無さそうだし、」
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
戸田(へた)近く、汽船は断崖にひたひたと沿うて走る。切りそいだ崖の根がたにどばんどばんと浪の打ちあげている所もあり、またその根に狭く荒い石原があってそれに白々と寄せている所もある。
みなかみ紀行 (新字新仮名) / 若山牧水(著)
多分(たぶん)、口(くち)まねが拙手(へた)なので、だらうとおもひまして、それからと言(い)ふものは滅茶苦茶(めちやくちや)にしやべり續(つゞ)けました。叱(しか)られれば叱(しか)られるほどしやべりました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
ベーカーの説に、かかる厴(へた)紅海にも産し、ある海藻とともに諸香に合せ婦女の身を燻(ふす)ぶると、猫に天蓼(またたび)ほど男子を惹き密(つ)くる由。
その頃まで邦産なしと心得輸入品を用いおったが、ようやく右の地で捜し出たらしく、古人苦辛のほど察すべし。この厴(へた)ばかり焼(た)けば臭(かざ)悪(あ)しきも、衆香に雑(まじ)えて焼かば芳を益(ま)し合香に必須だ。
文句(もんく)は色々(いろ/\)に變(か)へて、或(あるひ)は強(つよ)く、或(あるひ)は弱(よわ)く、或(あるひ)は罵(のゝし)り、或(あるひ)はふざけ、種々樣々(しゆ/″\さま/″\)の事(こと)を書(か)いてやつた。中途(ちうと)で凹(へた)たれては全(まつた)く敵(てき)に降伏(かうふく)する譯(わけ)だから、例(れい)の持藥(ぢやく)のつもりで毎日(まいにち)書(か)いた。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
此の人間の気が、ほとぼりに成つて通(かよ)つたと見える。ぐたりと蛙(かえる)を潰(つぶ)したやうに、手足を張つて平(へた)ばつて居た狂気武士(きちがいざむらい)が、びくりとすると、むくと起きた。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
中身に縦横格子形(こうしがた)に筋をつけ、なるべく底を疵附(きずつ)けぬようにして、そこへ好(よ)い油を少し引き、網を乗せた炭火にかけ、煮立ち始めると、蒂(へた)を左の指で持って、箸(はし)で廻りからそろそろ剥(はが)します。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)