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黴
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か
ふりがな文庫
“
黴
(
か
)” の例文
夢の間に軒の
花菖蒲
(
はなしょうぶ
)
も枯れ、その年の八せんとなれば
甲子
(
きのえね
)
までも降続けて、川の水も赤く濁り、台所の雨も寂しく、味噌も
黴
(
か
)
びました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その証拠に、同じ場所においても黒レーベルが最もよく
黴
(
か
)
びるのでもわかる(これに次いでは青レーベルがよくかびるものである)
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
貧
(
まづ
)
しい
店前
(
みせさき
)
には
※
(
おほがめ
)
の
甲
(
かふ
)
、
鰐
(
わに
)
の
剥製
(
はくせい
)
、
不恰好
(
ぶかっかう
)
な
魚
(
うを
)
の
皮
(
かは
)
を
吊
(
つる
)
して、
周圍
(
まはり
)
の
棚
(
たな
)
には
空箱
(
からばこ
)
、
緑色
(
りょくしょく
)
の
土
(
つち
)
の
壺
(
つぼ
)
、
及
(
およ
)
び
膀胱
(
ばうくわう
)
、
黴
(
か
)
びた
種子
(
たね
)
、
使
(
つか
)
ひ
殘
(
のこ
)
りの
結繩
(
ゆはへなは
)
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
アンテナはわずかに二メートルくらいの線を
鴨居
(
かもい
)
の電話線に並行させただけで、地中線も何もなしに十分であったのが、捲線が次第に
黴
(
か
)
びたり
ラジオ雑感
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
醤油を一合買つたんですけれど、煮るやうな物は何も買へませんから
黴
(
か
)
びてしまひましたよ。三升買つた糠で漬物を拵へてそればかり食べてますの。
女が来て
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
亜米利加
(
アメリカ
)
を去る時ロザリンが別れの形見にくれた『フランシスカ伯爵夫人の日記』という、立派な羊の皮の表装は見るかげもなく
黴
(
か
)
びてしまいました。
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
黴
(
か
)
びたりといえども蓬莱豆、
蝕
(
むしば
)
めりといえどもビスケットが、
隈
(
くま
)
なく行き渡りうるはずはないのである。
雪国の春
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その光りであたりを見まわすと、もう手入れ前の古屋敷とみえて、天井や畳の上にも雨漏りの
痕
(
あと
)
がところどころ
黴
(
か
)
びていて、襖や障子もよほど破れているのが眼についた。
半七捕物帳:41 一つ目小僧
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
陰気な、鈍い、濁った——
厭果
(
あきは
)
てた五月雨の、宵の内に星が見えて、寝覚にまた
糠雨
(
ぬかあめ
)
の、その
点滴
(
したたり
)
が
黴
(
か
)
びた畳に
浸込
(
しみこ
)
む時の——心細い、陰気でうんざりとなる
気勢
(
けはい
)
である。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今年は朝顔の
培養
(
ばいよう
)
に失敗した事、
上野
(
うえの
)
の養育院の寄附を依頼された事、
入梅
(
にゅうばい
)
で書物が大半
黴
(
か
)
びてしまった事、
抱
(
かか
)
えの車夫が
破傷風
(
はしょうふう
)
になった事、
都座
(
みやこざ
)
の西洋手品を見に行った事
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それでも其の影に映つてゐる間だけ、周三の頭から、
黴
(
か
)
びて、
陰濕
(
じめ/″\
)
したガスが拔けて、そして其の底に
灰
(
はひ
)
の氣に
籠
(
こ
)
められながら紅い花の
揺
(
ゆら
)
いでゐるのを見るやうな心地になつてゐた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
みな雨に打たれたためにひどく
黴
(
か
)
びていて、黴のために
粘
(
ねば
)
りついていた。草はそのまわりに茂り、その上にまで伸びていた。パラソルの絹は丈夫だったが、その糸は一緒にくっついていた。
マリー・ロジェエの怪事件
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
肉の臭気や織物の、
黴
(
か
)
びた
臭
(
にほ
)
ひも知らぬげに
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
此宿はのぞく
日輪
(
にちりん
)
さへも
黴
(
か
)
び
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
丁度四歳の初冬の或る
夕方
(
ゆうかた
)
、私は松や
蘇鉄
(
そてつ
)
や
芭蕉
(
ばしょう
)
なぞに其の年の霜よけを
為
(
な
)
し終えた植木屋の
安
(
やす
)
が、一面に白く乾いた
茸
(
きのこ
)
の
黴
(
か
)
び着いている
井戸側
(
いどがわ
)
を
取破
(
とりこわ
)
しているのを見た。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
食
(
く
)
はぬうちから
黴
(
か
)
びたと
聞
(
き
)
けば……
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
山寺に仏も我も
黴
(
か
)
びにけり
七百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
黴
(
か
)
びた
兎
(
うさぎ
)
ぢゃ二十
人
(
にん
)
でも
食
(
く
)
へぬ
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
“黴(カビ)”の解説
カビ(黴)とは、菌類の一部の姿を指す言葉である。あるいはそれに似た様子に見える、肉眼的に観察される微生物の集落(コロニー)の俗称でもある。
(出典:Wikipedia)
黴
漢検1級
部首:⿊
23画
“黴”を含む語句
黴菌
黴臭
黴毒
黴菌病
青黴
検黴
駆黴
駆黴剤
駆黴療法
黴毒女
黴毒性
黴毒菌
黴附
黴類