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鬼火
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おにび
ふりがな文庫
“
鬼火
(
おにび
)” の例文
白粉
(
おしろい
)
、
煤
(
すす
)
と
鍋墨
(
なべずみ
)
、懐中電灯、電池などと資材は集められた。骸骨おどりのすごさを増すために
鬼火
(
おにび
)
を二つ出す計画が追加された。
骸骨館
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼は
肚
(
はら
)
のなかで叫びながらあたりの闇を睨んでいるとき、藤助の提灯の火が
鬼火
(
おにび
)
のように又あらわれた。彼は片手に小さい手桶をさげている。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
まず第一種の例を挙ぐるに、
狐火
(
きつねび
)
、
鬼火
(
おにび
)
、
蜃気楼
(
しんきろう
)
、その他越後の七不思議とか称するの類にして、物理的または化学的の変化作用より生ずるものをいう。
妖怪玄談
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
それからというもの、
青
(
あお
)
い
鬼火
(
おにび
)
も、戦争の
物音
(
ものおと
)
も、舟をしずめる黒い
影
(
かげ
)
も、あらわれなくなりました。しかしまだときどき、ふしぎなことがおこりました。
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
「
鬼火
(
おにび
)
だ。」初め私はかう思つた。そしてこの光は直ぐ消えるだらうと豫想した。ところがそれははつきりと近よりもせず、遠のきもせず燃え續けてゐる。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
七日の
鬼火
(
おにび
)
に至ってはその名の示す如く、明白に祝賀の火でもなく、また飾り物の処理方法でもなかった。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
成程、平家の一杯水か。然う言われゝば聞いたようだね。何しろ此処で皆沈んでしまったんだから浮ばれないのさ。昔は雨の晩にこの辺に
鬼火
(
おにび
)
が出たもんだなんてことを
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
夜陰
(
やいん
)
の
森中
(
もりなか
)
に、
鬼火
(
おにび
)
の燃える
鼎
(
かなえ
)
の中に
熱湯
(
ねっとう
)
をたぎらせて、
宗盛
(
むねもり
)
に似せてつくった
藁
(
わら
)
人形を
煮
(
に
)
ました。悪僧らはあらゆる悪鬼の名を呼んで、
咒文
(
じゅもん
)
を唱えつつ
鼎
(
かなえ
)
のまわりをまわりました。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
童らは
斉
(
ひと
)
しく立ちあがりて沖の
方
(
かた
)
をうちまもりぬ。げに
相模湾
(
さがみわん
)
を
隔
(
へだ
)
てて、一点二点の火、
鬼火
(
おにび
)
かと怪しまるるばかり、明滅し、動揺せり。これまさしく伊豆の
山人
(
やまびと
)
、野火を放ちしなり。
たき火
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
下界万丈
(
げかいばんじょう
)
の
鬼火
(
おにび
)
に、
腥
(
なまぐ
)
さき
青燐
(
せいりん
)
を筆の穂に吹いて、
会釈
(
えしゃく
)
もなく
描
(
えが
)
き
出
(
いだ
)
せる文字は、
白髪
(
しらが
)
をたわしにして洗っても
容易
(
たやす
)
くは消えぬ。笑ったが最後、男はこの笑を引き戻す
訳
(
わけ
)
には行くまい。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
(恨みの眉をあげる。)お身はまだ知るまいが、あめ風あれて浪高い夜には、海に数しれぬ
鬼火
(
おにび
)
あらわれ、あまたの人の泣く声も悲しげにきこゆるぞ。
平家蟹
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
金博士が、砲弾に
化
(
ば
)
けて通ったんだろうか。わが
印度
(
インド
)
では、
聖者
(
せいじゃ
)
が、
一団
(
いちだん
)
の
鬼火
(
おにび
)
に化けて空を飛んだという伝説はあるが、人間が砲弾になるなんて……
のろのろ砲弾の驚異:――金博士シリーズ・1――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
正月の七日に至っては、日の数を月と揃える法則にも合わず、年越の一つに算えられてはいるけれども、七草の粥と九州の
鬼火
(
おにび
)
以外には、そう大きな行事はない。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
若しも、氣づかれ報いられたときには
鬼火
(
おにび
)
のやうに、救ひやうのない
泥濘
(
ぬかるみ
)
の野に行くより外ないのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
そうして、法師の
左右
(
さゆう
)
には、
数
(
かず
)
しれぬ
青
(
あお
)
い
灯
(
ひ
)
、
鬼火
(
おにび
)
がめらめらと、もえていたのでありました。寺男は、こんなに多いさかんな鬼火を、生まれてはじめて見るのでありました。
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
第六種(怪火編)怪火、
鬼火
(
おにび
)
、竜火、
狐火
(
きつねび
)
、
蓑虫
(
みのむし
)
、火車、火柱、竜灯、聖灯、天灯
妖怪学講義:02 緒言
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
八木君は、
空井戸
(
からいど
)
の中にひとりぽっちとなり、心細くなっていた。空井戸の底から上を見上げたとき、井戸の上あたりで、
鬼火
(
おにび
)
が二つおどっているのを見て、びっくりした。
時計屋敷の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
月のないくらい
夜
(
よる
)
には、この壇ノ浦の
浜辺
(
はまべ
)
や海の上に、
数
(
かず
)
しれぬ
鬼火
(
おにび
)
、——めろめろとした
青
(
あお
)
い
火
(
ひ
)
が音もなくとびまわり、すこし風のある夜は、波の上から、
源氏
(
げんじ
)
と
平家
(
へいけ
)
とが
戦
(
たたか
)
ったときの
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
どうしたかつて、ジエィン? 私は自分を、
鬼火
(
おにび
)
のやうな一所不住の人間にしてしまつたのです。何處へ行つたかつて? 私は三月からつ風の精のやうに、氣違ひのやうに、放浪を續けたのです。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
左義長
(
さぎちょう
)
・とんど、またはさえの神・
鬼火
(
おにび
)
等の名を以て、大きな火を
焚
(
た
)
く日はいつになっているか。燃料の集め方、ことにこの火で焼くものの種類など。その火の
側
(
そば
)
に小屋を作る風があるならその作法。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
“鬼火”の意味
《名詞》
鬼火 (きか、おにび)
おにび。きつねび。
(出典:Wiktionary)
“鬼火”の解説
鬼火(おにび)とは、日本各地に伝わる怪火(空中を浮遊する正体不明の火の玉)のことである。伝承上では一般に、人間や動物の死体から生じた霊、もしくは人間の怨念が火となって現れた姿と言われている。また、ウィルオウィスプ、ジャックランタンといった怪火の日本語訳として「鬼火」の名が用いられることもある。
(出典:Wikipedia)
鬼
常用漢字
中学
部首:⿁
10画
火
常用漢字
小1
部首:⽕
4画
“鬼”で始まる語句
鬼
鬼神
鬼魅
鬼子母神
鬼灯
鬼門
鬼瓦
鬼婆
鬼気
鬼界