レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)
横光、小林秀雄、犀星等、芸術上の高邁イストが、現実において一九三七年度には急速に自分達のポーズと反対のものに落下しつつあるところ。
獄中への手紙:04 一九三七年(昭和十二年) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
まことに高邁な学者の一生にふさわしいものであったように思われますし、ここに自然研究に終始した彼の真意をよく活かしているとも感ぜられるのです。
ロード・ラザフォード (新字新仮名) / 石原純(著)
「今に始ったことでないにしても、当代稀なる人格者だ。怨を恩で返された心の高邁さには頭が下がるのう」
現代語訳 平家物語:02 第二巻 (新字新仮名) / 作者不詳(著)
『お話の木』を主宰するに当たりて宣言す (新字新仮名) / 小川未明(著)
その際にも新妻のほうが良人よりも比べものにならないほど高邁な態度を示したという。
カラマゾフの兄弟:01 上 (新字新仮名) / フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(著)
古今作者を列べて著述の量の多いのと、なかんずく大作に富めると、その作の規模結構の大なると、その態度の厳粛なると、その識見の高邁なると、よく馬琴に企て及ぶものは殆んどない。
僕にはこれで高邁な美を望む性格も、それを執拗に表現しようと努力する根気もあるんです。だが、その気概に邁進しようとすると、すぐ蝕まれている一面が意識されて、崩折れて仕舞うんです。
それを見ていると、あだかも自然がもはや高邁な血をもった種類をもっていず、衰えきってしまったという感があった。その大きな眼は若く不健康でほとんど水腫症をわずらっているように見えた。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン―― (新字新仮名) / ヘンリー・デイビッド・ソロー(著)
学問の精神は高邁なものであるけれども、ここに於て按吉は、チベット語の臭気に就いて悲痛な認識をもたなければならないのだった。その頃の按吉の日記の中の文章である。
いかにも高邁な兵士であって、共和政府の下にあってはフランスの国境を守り、皇帝の下にあってはアジアの境にまで進みゆき、ゼノア、アレキサンドリア、ミラノ、トリノ、マドリッド、ウインナ
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌 (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)
そこで先生は泣きだしたいほどがっかりして、学生の本分とは何か、とか、学校の精神は何か、もっと正々堂々たれ、惨めであるな、高邁なる精神をもて、そんなことを口走りたくなるのであった。
「一年でも一箇月でも、いったんお嫁に行った者が、理由もなく帰るなんて法はないんだ。進は、妙に興味を持ってるらしいじゃないか。高邁な芸術家らしくもないぜ。」
ただいまお話ございましたように、その老博士は、たいへん高邁のお志を持って居られます。高邁のお志には、いつも逆境がつきまといます。これは、もう、絶対に正確の定理のようでございます。