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飛掛
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とびかゝ
り今癲癇と
言れては
口惜もあれ
忌々しければ
赫と怒つて
箸を
捨衝と立上り
飛掛り和吉が
首筋取より早く其所へ引附目を
牙を
鳴らして
此方を
睨んで
居つたが、それも
僅かの
間で、
獅子は
百獸の
王と
呼ばるゝ
程あつて、
極めて
猛勇なる
動物で、
此時一聲高く
叫んで、
三頭四頭鬣を
鳴らして
鐵車に
飛掛つて
來た。
つたか今の話しを
聞きたる
奴は
逃しはせぬと
飛掛つて捕る
袂を
振拂ひお梅は聲立人殺し人殺しぞと
呼所へ昌次郎の
後追うて此所へ來かゝる親上臺は女のさけびごゑを
私は
今喰殺されるのは
覺悟の
前だが、どうせ
死ぬなら
徒は
死なぬぞ、
斯く
睨合つて
居る
間に、
先方に
卯の
毛の
虚でもあつたなら、
機先に
此方から
飛掛つて、
多少の
痛さは
見せて
呉れんと
考へたので
知らざるは
餘程の
寢惚なるか腰が拔たるかと同心
上意と聲
懸飛掛つて捕るに驚き
漸々目を
覺しけるを