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長男
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ちやうなん
恰も
炭團屋の
長男のやうになつた
事には
氣の
付かぬ
無邪氣さ、
只更私の
顏を
指し
笑つたなど、
苦しい
間にも
隨分滑※な
話だ。
朝の
半日をアトリエに
籠つた
夫は
庭で
二人の
子供と
快活な
笑聲を
立ててゐた
長女の
夏繪と四つになる
長男の
敏樹と、
子供好きの
夫は
氣持よく
仕事が
運んだあとでひどく
上機嫌だつた。
慕ひ
敬ひける然るに夫婦の中に二人の
子供ありて
長男は平吉とて二十一歳
妹をお
浪と呼て十八歳なるが此お浪は
容貌衆に
勝れて
美麗き上
氣象も
優美ければ
兩親の
愛情も一方ならず
所々方々より
縁談を