農具のうぐ)” の例文
「さあ、おまんま出來できたぞ」勘次かんじかまから茶碗ちやわんめしうつす。さうして自分じぶん農具のうぐつておつぎへたせてそれからさつさとすのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
まれに、お勝手かって道具どうぐ農具のうぐなどをならべたものがあったけれど、スケートのくつをおくようなみせは、つかりませんでした。
緑色の時計 (新字新仮名) / 小川未明(著)
稲穂いなぼ又は紙にて作りたる金銭、ちゞみあきびとなどはちゞみのひな形を紙にて作り、農家のうかにては木をけづりて鍬鋤すきくはのたぐひ農具のうぐを小さく作りてもちばなの枝にかくる。
人と森との原始的げんしてき交渉こうしょうで、自然しぜん順違じゅんい二面にめんが農民にあたえたながい間の印象いんしょうです。森が子供こどもらや農具のうぐをかくすたびに、みんなは「さがしに行くぞお」とさけび、森は「お」と答えました。
矢張草葺だが、さすがに家内何処となくうるおうて、屋根裏には一ぱい玉蜀黍をつり、土間には寒中蔬菜そさいかこあなぐらを設け、農具のうぐ漁具ぎょぐ雪中用具せっちゅうようぐそれ/″\ならべて、横手よこての馬小屋には馬が高くいなないて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
當日たうじつしろ狩衣かりぎぬ神官しんくわんひとり氏子うぢこ總代そうだいといふのが四五にんきまりの惡相わるさう容子ようすあとつい馬場先ばゞさきすゝんでつた。一にん農具のうぐつてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
稲穂いなぼ又は紙にて作りたる金銭、ちゞみあきびとなどはちゞみのひな形を紙にて作り、農家のうかにては木をけづりて鍬鋤すきくはのたぐひ農具のうぐを小さく作りてもちばなの枝にかくる。
すると武田先生はいそいで農舎の中へはいって農具のうぐだか何だか整理せいりし出した。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それで一さい草木さうもくつち直角ちよくかくたもつてる、冬季とうきあひだつち平行へいかうすることをこのんでひとてつはり磁石じしやくはれるごとつち直立ちよくりつして各自てんで農具のうぐる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)