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貼札
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はりふだ
ふりがな文庫
“
貼札
(
はりふだ
)” の例文
従って、
屡々
(
しばしば
)
自分の
頂戴
(
ちょうだい
)
する
新理智派
(
しんりちは
)
と云い、新技巧派と云う名称の如きは、
何
(
いず
)
れも自分にとっては
寧
(
むし
)
ろ迷惑な
貼札
(
はりふだ
)
たるに過ぎない。
羅生門の後に
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それのみではない。保さんは父が大きい本箱に「
江戸鑑
(
えどかがみ
)
」と
貼札
(
はりふだ
)
をして、その中に一ぱい古い「武鑑」を収めていたことを記憶している。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
湯の中で泳ぐものは、あまりあるまいから、この
貼札
(
はりふだ
)
はおれのために特別に新調したのかも知れない。おれはそれから泳ぐのは断念した。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
Kがまだ
貼札
(
はりふだ
)
の前に立っていると、一人の男が階段を登ってきて、開いた扉から居間をのぞきこんだが、そこからは法廷も見えるのだった。
審判
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
私はまたこういう静な坂の中途に小じんまりした貸家を見付ると用もないのに必ず立止っては
仔細
(
しさい
)
らしく
貼札
(
はりふだ
)
を読む。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
……新坊、小母さんの
膝
(
ひざ
)
の
傍
(
そば
)
へ。——気をはっきりとしないか。ええ、あんな裏土塀の壊れ木戸に、かしほんの
貼札
(
はりふだ
)
だ。……そんなものがあるものかよ。
絵本の春
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
往
(
ゆ
)
きと
還
(
かえ
)
りの船床の番号だの、
貼札
(
はりふだ
)
だの、海外の諸国を廻ったそれらの印の附いた鞄の中からは、岸本が
巴里
(
パリ
)
の下宿の方でさんざん着た和服の類が出て来た。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
折々
(
おり/\
)
、西洋奇術の
貼札
(
はりふだ
)
が紅いへらへら踊の怪しい景氣をつけるほかには、よし今のやうに、アセチリン瓦斯を
點
(
つ
)
け、新たに
電氣燈
(
でんき
)
をひいて見たところで、格別
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
二丁目三丁目と下がりては戸ごとに「徴発ニ応ズベキ坪数○○畳、○間」と
貼札
(
はりふだ
)
して、おおかたの家には士官下士の姓名兵の隊号
人数
(
にんず
)
を
記
(
しる
)
せし紙札を張りたるは
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
小川町辺
(
をがはまちへん
)
の
去
(
さ
)
る
御邸
(
おやしき
)
の
前
(
まへ
)
を
通行
(
つうかう
)
すると、
御門
(
ごもん
)
の
潜戸
(
くゞりど
)
へ
西
(
にし
)
の
内
(
うち
)
の
貼札
(
はりふだ
)
が
下
(
さが
)
つてあつて、
筆太
(
ふでぶと
)
に「
此内
(
このうち
)
に
汁粉
(
しるこ
)
あり」と
認
(
したゝ
)
めてあり、ヒラリ/\と風で
飜
(
あほ
)
つて
居
(
を
)
つたから
士族の商法
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「仲裁無用」かの松の樹の
貼札
(
はりふだ
)
の下まで来て突っ立って、じっとこの果し合いを見ている。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
既にその病がお染と名乗る以上は、これに
凴着
(
とりつ
)
かれる患者は久松でなければならない。そこでお染の
闖入
(
ちんにゅう
)
を防ぐには「
久松留守
(
ひさまつるす
)
」という
貼札
(
はりふだ
)
をするがいいということになった。
二階から
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「おやしきへ参って、この
貼札
(
はりふだ
)
を見、思わず声を揚げたのでございます」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
尤
(
もつと
)
もそれが全部でなくとも或
著
(
いちじる
)
しい部分を表してゐる時、批評家にさう云ふイズムの
貼札
(
はりふだ
)
をつけられたのを
許容
(
きよよう
)
する場合はありませう。
イズムと云ふ語の意味次第
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
莚
(
むしろ
)
が雑然と積んである。表に「自転車無料であずかります」と
貼札
(
はりふだ
)
してある。この道七、八丁。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
夜が明けると
斯様
(
かよう
)
な者が
殺害
(
せつがい
)
されている、心当りの者は引取りに来いという
貼札
(
はりふだ
)
が出る。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
奥深い邸の門に
貼札
(
はりふだ
)
が見えたのです——鷺流狂言、
開興
(
かいこう
)
。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
然れどももし道楽以上の
貼札
(
はりふだ
)
を貼らんとするものあらば、
山陽
(
さんやう
)
の
画
(
ゑ
)
を観せしむるに
若
(
し
)
かず。
日本外史
(
にほんぐわいし
)
は
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も一部の歴史小説なり。画に至つては
呉
(
ご
)
か
越
(
ゑつ
)
か、
畢
(
つひ
)
につくね
芋
(
いも
)
の山水のみ。
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
貼
常用漢字
中学
部首:⾙
12画
札
常用漢字
小4
部首:⽊
5画
“貼”で始まる語句
貼
貼紙
貼付
貼出
貼交
貼薬
貼替
貼板
貼附
貼代