“はりふだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
貼札90.0%
張札10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
湯の中で泳ぐものは、あまりあるまいから、この貼札はりふだはおれのために特別に新調したのかも知れない。おれはそれから泳ぐのは断念した。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
Kがまだ貼札はりふだの前に立っていると、一人の男が階段を登ってきて、開いた扉から居間をのぞきこんだが、そこからは法廷も見えるのだった。
審判 (新字新仮名) / フランツ・カフカ(著)
斯く張札はりふだして置いた。稀には飼犬を縁先えんさきの樫の木につないで置くこともあったが、多くは郵便箱に留守をさした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
張札はりふだをして、酒屋、魚屋、八百屋連の御用聞ごようききたちが往来のものに交って声高こわだかののしりちらして、そこにもいたたまれないようにさせたが、やがてその侘住居わびずまいも戸をめてしまった。
芳川鎌子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
梁川先生発熱の虞あり、来訪諸君は長談を用捨されたく云々、と主治医の書いた張札はりふだが格子戸にってある。食事中との事で、しばらく薄暗い一室に待たされた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)