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貴顕
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きけん
ふりがな文庫
“
貴顕
(
きけん
)” の例文
二階の正面に
陣取
(
じんど
)
って、舞台や
天井
(
てんじょう
)
、土間、
貴顕
(
きけん
)
のボックスと、ずっと見渡した時、吾着物の中で
土臭
(
つちくさ
)
い
体
(
からだ
)
が
萎縮
(
いしゅく
)
するように感じた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
新政府に
嫁
(
か
)
し、維新功臣の
末班
(
まっぱん
)
に列して
爵位
(
しゃくい
)
の高きに
居
(
お
)
り、
俸禄
(
ほうろく
)
の
豊
(
ゆたか
)
なるに
安
(
やす
)
んじ、
得々
(
とくとく
)
として
貴顕
(
きけん
)
栄華
(
えいが
)
の
新地位
(
しんちい
)
を占めたるは
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
今でこそ、画聖と
崇
(
あが
)
められ、名宝展などで朝野の
貴顕
(
きけん
)
に騒がれようとも、応永の昔の雪舟は高が雲水乞食に過ぎないのである。
故郷に帰りゆくこころ
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
華族と云い
貴顕
(
きけん
)
と云い豪商と云うものは
門閥
(
もんばつ
)
の油、
権勢
(
けんせい
)
の油、
黄白
(
こうはく
)
の油をもって一世を
逆
(
さか
)
しまに廻転せんと欲するものである。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その他は、どんな
貴顕
(
きけん
)
の門であろうと官庁の
厳
(
おごそ
)
かを見ようと、驚きはしない。彼の叛骨は、かえってせせら笑いを催してくる。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
一時の
奇貨
(
きか
)
も永日の
正貨
(
せいか
)
に変化し、旧幕府の旧風を
脱
(
だっ
)
して新政府の新
貴顕
(
きけん
)
と
為
(
な
)
り、
愉快
(
ゆかい
)
に世を渡りて、かつて
怪
(
あや
)
しむ者なきこそ古来
未曾有
(
みぞう
)
の
奇相
(
きそう
)
なれ。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
善美を尽した御座船が中流に浮んで、
貴顕
(
きけん
)
淑女雲の如く
斡旋
(
あっせん
)
する中に、ジョージ一世は玉杯を挙げて四方の風物を眺めながら、水と共にテームズを降った。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
先方
(
せんぱう
)
では
貴顕
(
きけん
)
のお
客様
(
きやくさま
)
ですから
丁寧
(
ていねい
)
の
取扱
(
とりあつか
)
ひでございましてお
上
(
かみ
)
の
方
(
かた
)
はお
二階
(
にかい
)
或
(
あるひ
)
は
奥座敷
(
おくざしき
)
といふので
私
(
わたくし
)
は
次
(
つぎ
)
の
室
(
ま
)
のお荷物の中の
少々
(
せう/\
)
ばかりの
明地
(
あきち
)
へ
寐
(
ね
)
かして
頂
(
いたゞ
)
く事に
相
(
あひ
)
なりました。
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
やがてまた、この身も、僧都となり、僧正となり、
座主
(
ざす
)
となり、そして小人の
嫉視
(
しっし
)
と、
貴顕
(
きけん
)
の政争にわずらわされ、あたら、ふたたび生れ難き生涯を
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私
(
わたくし
)
も少し
驚
(
おどろ
)
きまして、
此分
(
このぶん
)
では
迚
(
とて
)
も
往
(
ゆ
)
く
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
まいと困りましたから、
私
(
わたし
)
が
日頃
(
ひごろ
)
御贔屓
(
ごひいき
)
に
預
(
あづ
)
かりまする
貴顕
(
きけん
)
のお
方
(
かた
)
の
処
(
ところ
)
へ
参
(
まゐ
)
りまして、
右
(
みぎ
)
のお話をいたしますると、そんならば
幸
(
さいはひ
)
私
(
わたくし
)
も
往
(
ゆ
)
くから
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
都は
貴顕
(
きけん
)
の、びんろう毛車や
花漆
(
はなうるし
)
のあじろ車で、どこにそんな飢えがあるかのようにしか眺められない。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すくなくも当時の
貴顕
(
きけん
)
がこんなところまで旅するには、よほどな覚悟と目的がなければできなかった。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ピオの目的は、関東京坂の
貴顕
(
きけん
)
の間にとり入って、徐々と曙光を見、晩年には実行の端緒にはいった。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また同日を期して、このたびの大戦大勝の賀をのべる
貴顕
(
きけん
)
の馬やら車やらが混み合って、三条
洞院
(
とういん
)
の四ツ辻に、
仕丁
(
しちょう
)
たちの間で“くるま喧嘩”が起るほどな騒ぎだった。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それが帰ったと思うと、
佐々成政
(
さっさなりまさ
)
が立ち寄り、
蜂谷頼隆
(
はちやよりたか
)
が訪い、市橋九郎右衛門と
不破河内守
(
ふわかわちのかみ
)
が同道して見え、京都の
貴顕
(
きけん
)
から使いやら、近郷の僧俗から、
種々
(
くさぐさ
)
の物を持って
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
よほど
貴顕
(
きけん
)
な
堂上人
(
どうじょうびと
)
でも見えられるのであろうと、誰もが想像していたふうであった。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「これが、きのうまで、わが世の春を誇っていた
貴顕
(
きけん
)
か」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“貴顕”の意味
《名詞》
貴顕(きけん)
身分が高く、また、名が知られていること。また、そのような人。
(出典:Wiktionary)
貴
常用漢字
小6
部首:⾙
12画
顕
常用漢字
中学
部首:⾴
18画
“貴顕”で始まる語句
貴顕方
貴顕富豪
貴顕搢紳
貴顕紳商
貴顕紳士
貴顕淑女達