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裏梯子
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うらばしご
ふりがな文庫
“
裏梯子
(
うらばしご
)” の例文
で、黙って日本一太郎について、その、ぎしぎしいう
裏梯子
(
うらばしご
)
を踏んで木の腐ったようなにおいのする風呂場へおりて行った。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
注意してそつと自分の
隱
(
かく
)
れ
家
(
が
)
を出た私は、眞直に臺所につゞいてゐる
裏梯子
(
うらばしご
)
の方に出た。臺所中は火と騷ぎで一ぱいだつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
宵
(
よい
)
の
灯
(
あかり
)
が点くと間もなく、お由は
何時
(
いつ
)
もの通り
裏梯子
(
うらばしご
)
から、
山名国太郎
(
やまなくにたろう
)
が間借りをしている二階へ上って来たのであった。
白蛇の死
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「駒田さん。ちょいと。」と女中が
裏梯子
(
うらばしご
)
の方へ引張って行って、「お北
姐
(
ねえ
)
さん。丁度二本になりますから、もう帰してもよろしいでしょう。」
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ちょっとあたりを見廻してから、部屋を出ると廊下へかかり、
裏梯子
(
うらばしご
)
を下りると裏口から、雪のたまっている往来へ出た。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
裏梯子
(
うらばしご
)
を降りて、姉さん(嫁のお鈴)の部屋をのぞくと、灯が點いて居なくて、月あかりの中に、倒れて居る樣子なので、聲をかけ乍ら——覗くと
銭形平次捕物控:304 嫁の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
襖
(
ふすま
)
を開けて、
裏梯子
(
うらばしご
)
まで出て来ると、
階下
(
した
)
からどかどかと駈け上って来た松代藩の武士が、途中で、真黒にかたまって
銀河まつり
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
久しぶりで親子水入らずで、お茶を
呑
(
の
)
みバナナを食べながら、そんな話をしているうちに
風呂
(
ふろ
)
の
支度
(
したく
)
が出来、均平は
裏梯子
(
うらばしご
)
をおりて風呂場へ行った。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
どこかの地階にある
煙草店
(
たばこや
)
の葉巻のにおいや、居酒屋や、汚水でびしょびしょになった上に、卵の殻の散らかっている、いつもほとんど真暗な
裏梯子
(
うらばしご
)
……と
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
私は新しい着物を着せられ、娘は桃色の
扱帯
(
しごき
)
のまま、また手を曳いて、今度は
裏梯子
(
うらばしご
)
から二階へ
上
(
あが
)
った。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何分、朝の
夙
(
はや
)
い役者を泊めている家、すっかり寝しずまっていることゆえ、
裏梯子
(
うらばしご
)
を、かまわず上り下りしたところで、見とがめる目も耳もあるはずがなかった。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
という事実をやっと意識した彼は、いつも村井に会いに行く時の習慣を無意識の
中
(
うち
)
に繰返しながら、トラックの出口から中庭へ這入って、編輯局の
裏梯子
(
うらばしご
)
を登った。
殺人迷路:07 (連作探偵小説第七回)
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
富岡はゆつくり片づけてゐる、ニウの様子にやりきれない淋しさになり、
裏梯子
(
うらばしご
)
から標本室の方へ降りて行つた。標本室に燈火をつけて、円い木の椅子に、腰を掛けた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
波瑠子は店へは顔を出さずに、非常口から
裏梯子
(
うらばしご
)
を伝ってみのりを捜しに行ったが、少女が部屋に見えなかったので、
小楊枝
(
こようじ
)
の先で障子に点字を書き残してふたたび店へ戻った。
宝石の序曲
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
しかし大剣は空を
截
(
き
)
って障子を裂き、伊兵衛は
裏梯子
(
うらばしご
)
のほうへ走っていた。
夜明けの辻
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
廊下へ出て耳を澄して見たが、
三味線
(
さみせん
)
は聞えても、
矢張
(
やっぱり
)
歌が能く聞えない。が、
愈
(
いよいよ
)
例のに違いないから、私は意を決して
裏梯子
(
うらばしご
)
を降りて、大廻りをして、
窃
(
こっ
)
そり台所近くへ来て見ると、
誰
(
たれ
)
も居ない。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「なぜ、
裏梯子
(
うらばしご
)
から上っていらっしゃらないの」
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
部屋の入口にはってあった奇妙な札へ、かたみ代りの批評をいって、そのままトントントンと
裏梯子
(
うらばしご
)
から風呂場へ降り、ぬぐとすぐに飛びこんで
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、あの時お前は
裏梯子
(
うらばしご
)
の下で、見張りをして居た筈だ。そして店の八疊に三人、何處へも出ずに、顏を並べて居たと僞の證人にもなつた筈だ」
銭形平次捕物控:255 月待ち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
前後の
考
(
かんがえ
)
もなく電話をかけて見ようと
裏梯子
(
うらばしご
)
を降りかけた時、表口の方で誰かお客の来たらしい物音がした。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
が、
入交
(
いれかわ
)
るのに、隣の客と顔が合うから、私は
裏梯子
(
うらばしご
)
を下りて、
鉢前
(
はちさき
)
へちょっと立った。……
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
道太は掃除の邪魔をしないように、やがて
裏梯子
(
うらばしご
)
をおりて、また茶の
室
(
ま
)
の方へ出てきた。
挿話
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
狭い、
勾配
(
こうばい
)
の急な
裏梯子
(
うらばしご
)
を上り切ったところの細長い板の間は、突き当たりに厚いカーテンがかかっていて、
古椅子
(
ふるいす
)
や古テーブルなどを積み重ね、片側をわずかに人が通れるだけ開けてある。
宝石の序曲
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
青年はその一人にも出会わなかったので、しごく満足の
体
(
てい
)
で門からすぐ右の階段口へ目立たぬようにすべりこんだ。階段は暗くて狭い『
裏梯子
(
うらばしご
)
』だった。が、彼はもう万事心得て研究しつくしていた。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
ぴしゃっと
襖
(
ふすま
)
の音が八十三郎の顔へ風を残した。もう露八はそこにいなかったのである。どん、どん、どんと
裏梯子
(
うらばしご
)
の
跫音
(
あしおと
)
が
階下
(
した
)
へあらく消える。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私が
裏梯子
(
うらばしご
)
を降りて來ると、お店の方からお
内儀
(
かみ
)
さんが飛んで來て、もう少しで鉢合せを
銭形平次捕物控:287 血塗られた祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「二番の部屋といったっけな」
裏梯子
(
うらばしご
)
を上がって隣り座敷へ、そっと細目の
隙見
(
すきみ
)
、
鰻
(
うなぎ
)
なりに寝そべっている。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お神さんの部屋から飛出して、向うの
裏梯子
(
うらばしご
)
の方へ行く者があります」
銭形平次捕物控:070 二本の脇差
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
手燭も持たず、
裏梯子
(
うらばしご
)
を降りる。
架
(
か
)
け縁を渡る。
大谷石
(
おおやいし
)
の段を三つ踏む。あつい
欅戸
(
けやきど
)
ががらがらと開いた。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すると、
裏梯子
(
うらばしご
)
の下で
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
裏
常用漢字
小6
部首:⾐
13画
梯
漢検準1級
部首:⽊
11画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“裏”で始まる語句
裏
裏店
裏面
裏口
裏手
裏庭
裏門
裏通
裏表
裏漉