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蒸
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むし
ふりがな文庫
“
蒸
(
むし
)” の例文
乏しい中から下谷の
伊予紋
(
いよもん
)
(料理店)へよって、口取りをあつらえたり、本郷の藤村へ立寄って
蒸
(
むし
)
菓子を買いととのえたりして訪れていた。
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
此
雪頽
(
なだれ
)
といふ事
初編
(
しよへん
)
にもくはしく
記
(
しるし
)
たるごとく、山に
積
(
つも
)
りたる雪二丈にもあまるが、春の
陽気
(
やうき
)
下
(
した
)
より
蒸
(
むし
)
て
自然
(
しぜん
)
に
砕
(
くだ
)
け
落
(
おつ
)
る事
大磐石
(
だいばんじやく
)
を
転
(
まろば
)
しおとすが如し。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
海の
南風
(
みなみかぜ
)
をうけている浜松の夏は、日盛りでもどこか磯風の通う涼しさがありましたが、夜は海の吐き出す
熱気
(
ねっき
)
のために、却って
蒸
(
むし
)
暑い時もあるのでした。
虫干し
(新字新仮名)
/
鷹野つぎ
(著)
単物
(
ひとへもの
)
からセルへうつる時候で、
生憎
(
あひにく
)
其日は
蒸
(
むし
)
熱いので、長い幕合を涼みがてら廊下に出て居る人が多かつた。
二黒の巳
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
唯
(
たゞ
)
この
蒸
(
むし
)
暑い日に
其処
(
そこ
)
ではどんなに涼しさが得られるか知れないと云ふ気がしたのと、ルウヴルが終点であるから降りるのに心配がないと思ふからでもあつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
蒸す代りに
湯煮
(
ゆで
)
て湯松茸にしてこうするのもありますがこの
湯煮
(
ゆで
)
加減や
蒸
(
むし
)
加減が少し
工合
(
ぐあい
)
もので足りなくてもならず過ぎてもならずちょうど好い程にしないと味が出ません。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
長女のマサ子も、長男の義太郎も、何か両親のそんな気持のこだわりを敏感に察するものらしく、ひどくおとなしく代用食の
蒸
(
むし
)
パンをズルチンの紅茶にひたしてたべています。
おさん
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
なお、この巻(五二四)に、「
蒸
(
むし
)
ぶすまなごやが下に臥せれども妹とし
寝
(
ね
)
ねば
肌
(
はだ
)
し寒しも」
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
今までの主食はクラシックで、この節毎日のように
遣
(
や
)
っている粉食はロマンチックだ。いいかね。米の飯は国粋かね。先ず固有なもので、メリケン粉の
蒸
(
むし
)
パンは外来的のものだ。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
お母さまは茶椀蒸がお
好
(
すき
)
だが、いつでも、料理屋で
拵
(
こしら
)
えたのよりは、文治郎の拵えたのが宜しいと仰ゃって
喰
(
あが
)
るから、
蒸
(
むし
)
を拵えましょう…
蒲焼
(
かばやき
)
の
小串
(
こぐし
)
の柔かいのと
蒲鉾
(
かまぼこ
)
の宜しいのを取ってこい
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
着物を
脱
(
ぬ
)
ぎ換えて膳に向ふと、膳の
上
(
うへ
)
に、茶碗
蒸
(
むし
)
と一所に手紙が一本載せてある。其
上封
(
うはふう
)
を見たとき、三四郎はすぐ母から来たものだと悟つた。済まん事だが此半月あまり母の事は丸で忘れてゐた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「長者の言うことを聴かなけりゃあ、布団
蒸
(
むし
)
にして
懲
(
こら
)
して遣れ」
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
此
雪頽
(
なだれ
)
といふ事
初編
(
しよへん
)
にもくはしく
記
(
しるし
)
たるごとく、山に
積
(
つも
)
りたる雪二丈にもあまるが、春の
陽気
(
やうき
)
下
(
した
)
より
蒸
(
むし
)
て
自然
(
しぜん
)
に
砕
(
くだ
)
け
落
(
おつ
)
る事
大磐石
(
だいばんじやく
)
を
転
(
まろば
)
しおとすが如し。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
此雪こほりて岩のごとくなるもの、二月のころにいたれば
陽気
(
やうき
)
地中より
蒸
(
むし
)
て
解
(
とけ
)
んとする時地気と天気との
為
(
ため
)
に
破
(
われ
)
て
響
(
ひゞき
)
をなす。一
片
(
へん
)
破
(
われ
)
て
片々
(
へん/\
)
破る、其ひゞき大木を
折
(
をる
)
がごとし。これ
雪頽
(
なだれ
)
んとするの
萌
(
きざし
)
也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
蒸
常用漢字
小6
部首:⾋
13画
“蒸”を含む語句
蒸気
蒸氣
蒸汽
水蒸氣
水蒸気
薫蒸
小蒸汽
小蒸気
茶碗蒸
苔蒸
蒸籠
蒸暑
蒸焼
蒸々
燻蒸
蒸溜
蒸返
蒸殺
蒸菓子
川蒸汽
...