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草鞋
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わらんじ
ふりがな文庫
“
草鞋
(
わらんじ
)” の例文
面
(
おもて
)
長く髪の白きが、草色の
針目衣
(
はりめぎぬ
)
に、
朽葉色
(
くちばいろ
)
の
裁着
(
たッつけ
)
穿
(
は
)
いて、
草鞋
(
わらんじ
)
を
爪反
(
つまぞ
)
りや、
巌端
(
いわばな
)
にちょこなんと
平胡坐
(
ひらあぐら
)
かいてぞいたりける。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
生れしままなれば
素跣足
(
すはだし
)
の
尻
(
しり
)
きり
半纏
(
ばんてん
)
に
田圃
(
たんぼ
)
へ弁当の持はこびなど、松のひでを
燈火
(
ともしび
)
にかへて
草鞋
(
わらんじ
)
うちながら
馬士歌
(
まごうた
)
でもうたふべかりし身を
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
この女郎の日和はお内儀で、勝手と蔵を一度往来して今あ母屋にいなさることは、これ、跡の向きを見りゃあ
白痴
(
こけ
)
にもわからあ。もう一つの
草鞋
(
わらんじ
)
ものは——。
釘抜藤吉捕物覚書:03 三つの足跡
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
その
他
(
ほか
)
には馬の
草鞋
(
わらんじ
)
はおろか、犬の足跡さえない。すがれた
葭
(
よし
)
と真菰の池の岸まで美しいほどの白一色。
平賀源内捕物帳:萩寺の女
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
二人の男は紺の
脚半
(
きゃはん
)
に
切緒
(
きりお
)
の
草鞋
(
わらんじ
)
という厳重な足ごしらえで、
白襟
(
しろえり
)
花色地の
法被
(
はッぴ
)
を着ていた,向う向きの男は後からでよく分らなかッたが、
打割
(
ぶっさき
)
羽織を着ていて
初恋
(新字新仮名)
/
矢崎嵯峨の舎
(著)
▼ もっと見る
平治ノ乱のむかしは、ここも武者
草鞋
(
わらんじ
)
や
馬蹄
(
ばてい
)
にじゅうりんされたこともあるが、今日こんな無法な侵入は、
衛府
(
えふ
)
としてゆるし難い。彼らの極力な阻止は当然なのだ。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
水行くほかに
尺寸
(
せきすん
)
の余地だに
見出
(
みいだ
)
しがたき岸辺を、石に飛び、岩に
這
(
は
)
うて、
穿
(
は
)
く
草鞋
(
わらんじ
)
の
滅
(
め
)
り込むまで腰を前に折る。だらりと下げた両の手は
塞
(
せ
)
かれて
注
(
そそ
)
ぐ渦の中に指先を
浸
(
ひた
)
すばかりである。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
旗も
甲冑
(
かっちゅう
)
も、槍の柄や
草鞋
(
わらんじ
)
、
脛当
(
すねあて
)
などはもちろん、水の中を行くように、しとどの露に濡れていた。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と
衝
(
つ
)
と手を
袴越
(
はかまごし
)
に白くかける、とぐいと
引寄
(
ひきよ
)
せて、横抱きに抱くと、
獅子頭
(
ししがしら
)
はばくりと
仰向
(
あおむ
)
けに地を払って、
草鞋
(
わらんじ
)
は高く
反
(
そ
)
った。
鶏
(
とり
)
の
羽
(
はね
)
の
飾
(
かざり
)
には、
椰子
(
やし
)
の葉を吹く風が渡る。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
七つのとしより
實家
(
じつか
)
の
貧
(
ひん
)
を
救
(
すく
)
はれて、
生
(
うま
)
れしまゝなれば
素跣足
(
すはだし
)
の
尻
(
しり
)
きり
半纒
(
ばんてん
)
に
田圃
(
たんぼ
)
へ
辨當
(
べんたう
)
の
持
(
もち
)
はこびなど、
松
(
まつ
)
のひでを
燈火
(
ともしび
)
にかへて
草鞋
(
わらんじ
)
うちながら
馬士歌
(
まごうた
)
でもうたふべかりし
身
(
み
)
を
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
時綱は、受け太刀ぎみ、
草鞋
(
わらんじ
)
のかかと退がりに、だだだと、庭添いの大廊下まで踏み
退
(
さ
)
がる。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
目まぐるしきばかり、靴、
草鞋
(
わらんじ
)
の、
樺
(
かば
)
の
踵
(
かかと
)
、
灰汁
(
あく
)
の裏、
爪尖
(
つまさき
)
を上に動かすさへ見えて、異類
異形
(
いぎょう
)
の
蝗
(
いなご
)
ども、
葉末
(
はずえ
)
を飛ぶかとあやまたるゝが、
一個
(
ひとつ
)
も姿は見えなかつたが、やがて
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
樹下石上
(
じゅげせきじょう
)
はおろかなこと、野獣や毒蛇の中でも平然と眠れるぐらいな修行がなくて、山伏といわれましょうか、峰入りは何のためになさるか、
兜巾
(
ときん
)
、
戒刀
(
かいとう
)
、八ツ目の
草鞋
(
わらんじ
)
は
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“草鞋”の意味
《名詞》
わらぐつ。わらじ。わらをあんでつくったはきもの。
挿鞋。
(出典:Wiktionary)
“草鞋”の解説
草鞋または鞋(わらじ)は、稲藁で作られる伝統的な履物の一つ。
技術的には草鞋は編物の一種と考えられてきたが、楕円状の織物の一種として位置付けるべきという見解がある。なお、草履とは異なり草鞋には足首を縛る紐がある。
(出典:Wikipedia)
草
常用漢字
小1
部首:⾋
9画
鞋
漢検1級
部首:⾰
15画
“草鞋”で始まる語句
草鞋穿
草鞋銭
草鞋虫
草鞋掛
草鞋脚絆
草鞋代
草鞋作
草鞋喰
草鞋履
草鞋懸