若々わか/\)” の例文
さうたづねかけながら、おくさんは女学生がくせいらしさのまだ十分にぬけきらない若々わか/\しいひとみを青木さんにげかけた。
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
工學士こうがくしは、井桁ゐげたんだ材木ざいもくしたなるはしへ、窮屈きうくつこしけたが、口元くちもと近々ちか/″\つた卷煙草まきたばこえて、その若々わか/\しい横顏よこがほ帽子ばうし鍔廣つばびろうらとをらした。
三尺角拾遺:(木精) (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
彼女かのぢよ若々わか/\しくむねをどきつかせながら、いそいでつくゑうへ手紙てがみつてふうつた。彼女かのぢよかほはみる/\よろこびにかゞやいた。ゆがみかげんにむすんだ口許くちもと微笑ほゝゑみうかんでゐる。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
ふとつたMM容易よういたなかつたが、勿論もちろんかれにも若々わか/\しい愛嬌あいけう洒落気しやれけせてゐなかつた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
そして、笑ひは彼女の若々わか/\しさ、薔薇色、くぼ、輝いた眼などによく似合つてゐた。
「ま、とんだ御愛嬌ごあいけうですこと………」と若々わか/\しく笑ふ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
おくさんは黒未勝くろみかちな、若々わか/\しいひとみを夢見ゆめみるやうに見張みはりながら、れやかにつぶやいた。
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
従兄妹いとここひし合つて、青木さんの境遇きやうぐうにすれば多少たせう早過はやすぎもしたのであつたが、たがひおもひつめた若々わか/\しい熱情ねつじやうのまゝにおもつて結婚生活けつこんせいくわつにはいつた二人は、まる三年かんたそのころになつて
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)