“脉(みやく)” の例文
一「セカンド」は大抵(たいてい)脉(みやく)の一動(いちどう)に同(おな)じ。扨(さて)時計(とけい)の盤面(ばんめん)を十二に分(わか)ち、短針(たんしん)は一晝夜(いつちうや)に二度(ど)づゝ廻(まは)り、長針(ちやうしん)は二十四度(ど)づゝ廻(まは)る仕掛(しかけ)にせり。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
飮(の)め命が大事と思はば村井が門も通るなと雜言(ざふごん)にも言(い)ひ觸(ふら)しける程に追々(おひ/\)に全治(ぜんぢ)病人迄(びやうにんまで)も皆轉藥(てんやく)をなし誰(たれ)一人脉(みやく)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
彼(かれ)は普通(ふつう)の場合(ばあひ)の樣(やう)に病人(びやうにん)の脉(みやく)を取(と)つて、長(なが)い間(あひだ)自分(じぶん)の時計(とけい)を見詰(みつ)めてゐた。それから黒(くろ)い聽診器(ちやうしんき)を心臟(しんざう)の上(うへ)に當(あ)てた。それを丁寧(ていねい)に彼方(あちら)此方(こちら)と動(うご)かした。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
けれどもみのるは自分の心の脉(みやく)を一とつ/\調べて見る樣なはつきりした氣分で、自分の頭の上に乘しかゝつてくる闇の力の下に俯向いて、しばらく考へてゐた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
其(それ)も道理(だうり)よ、血(ち)も通(かよ)はない、脉(みやく)もない、魂(たましひ)のない、たかゞ木屑(きくづ)の木像(もくざう)だ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
併(しか)し、それは無駄なことでした、騷ぎの後でドカドカと部屋の中へ入つた人達は、多かれ少なかれ、血に塗れないものはなく、わけても一番先に飛び込んで、まだ脉(みやく)の殘つてゐるお君を抱き上げた
脉(みやく)をとる看護婦の手の
悲しき玩具 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「働くつて何をするんだい。君はもう駄目ぢやないか。君こそ僕よりも脉(みやく)がない。」
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
さうかといつて、此(この)情熱(じやうねつ)を焚(や)き盡(つく)す程(ほど)の烈(はげ)しい活動(くわつどう)には無論(むろん)出會(であ)はなかつた。彼(かれ)の血(ち)は高(たか)い脉(みやく)を打(う)つて、徒(いたづ)らにむづ痒(がゆ)く彼(かれ)の身體(からだ)の中(なか)を流(なが)れた。彼(かれ)は腕組(うでぐみ)をして、坐(ゐ)ながら四方(しはう)の山(やま)を眺(なが)めた。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
平次は縁側を通るのをつかまへて、脉(みやく)を引きました。