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老樹
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らうじゆ
毛氈を
老樹の
下にしき
烟くゆらせつゝ
眺望ば、引舟は浪に
遡りてうごかざるが如く、
下る舟は
流に
順ふて
飛に
似たり。
行雁字をならべ
帰樵画をひらく。
あゝ
其れが今の身になつては、朝早く
今戸の橋の白い
霜を踏むのがいかにも
辛くまた昼過ぎにはいつも
木枯の
騒ぐ
待乳山の
老樹に、早くも傾く
夕日の色がいかにも悲しく見えてならない。
枝ぶり
山毛欅の
老樹の、
水を
空にして、
湖の
雲に
浮いた、
断崖の
景色がある。
「時」が噛みてし刻みてし、
老樹の幹のごとひわれ
毛氈を
老樹の
下にしき
烟くゆらせつゝ
眺望ば、引舟は浪に
遡りてうごかざるが如く、
下る舟は
流に
順ふて
飛に
似たり。
行雁字をならべ
帰樵画をひらく。
それから
跣足になつて、
抱へられるやうにして
下つて、また、
老樹の
根、
大巌の
挟間を
左に五
段、
白樺の
巨木の
下に
南祖坊の
堂があつた。
右に三
段、
白樺の
巨木の
下に、一
龍神の
祠があつた。
四面皆山にて
老樹欝然として
翳塞の
中に
個美人を見ること
愕然し、是
狸にあらずんばかならず狐ならんといひければ、
岩居友だちと
相顧、
手を
拍て
笑ふ。
四面皆山にて
老樹欝然として
翳塞の
中に
個美人を見ること
愕然し、是
狸にあらずんばかならず狐ならんといひければ、
岩居友だちと
相顧、
手を
拍て
笑ふ。
此石数百万を
竪に
積重ねて、此数十丈の
絶壁をなす也。
頂は山につゞきて
老樹欝然たり、是右の方の
竪御がうなり。左りは此石の寸尺にたがはざる石を横に
積かさねて数十丈をなす事右に同じ。
此石数百万を
竪に
積重ねて、此数十丈の
絶壁をなす也。
頂は山につゞきて
老樹欝然たり、是右の方の
竪御がうなり。左りは此石の寸尺にたがはざる石を横に
積かさねて数十丈をなす事右に同じ。