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きりやう
ふりがな文庫
“
縹緻
(
きりやう
)” の例文
処が
此
(
この
)
お玉と云ふ娘は生れ付きまことに
縹緻
(
きりやう
)
がよくてとても人間とは思はれぬ位で名前の通り玉の様に美しく月の様に清らかな姿を
金銀の衣裳
(新字旧仮名)
/
夢野久作
(著)
縹緻
(
きりやう
)
自慢だつたが(彼女は鏡を見る度に、自分の愛らしさを示されるので、それを押へることが出來なかつた)
氣取
(
きど
)
らなかつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
幸ひ、本所の御用聞で、石原の利助親分の娘のお品さん、これは出戻りだが、
縹緻
(
きりやう
)
も才智も人並すぐれて、こんなことには打つて付けの女です。
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
町内きつての
縹緻
(
きりやう
)
よしなので、そんぢよ
其辺
(
そこら
)
の
放蕩息子
(
どうらくむすこ
)
がそれとなく言ひ寄るが、娘はてんで見向きもしなかつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
あの女であれば
縹緻
(
きりやう
)
は別として、女として実に立派なものである。あの熱烈な熱情の前に、私はいつでも陥落する
死線を越えて:02 太陽を射るもの
(新字旧仮名)
/
賀川豊彦
(著)
▼ もっと見る
時偶
(
ときたま
)
、雜誌の口繪で
縹緻
(
きりやう
)
の好い藝妓の寫眞を見たり、地方新聞で金持の若旦那の艶聞などを讀んだりした時だけは、妙に恁う危險な——實際危險な、例へば
赤痢
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
彼女が島田に結つてゐる処を見るとまだ人妻でない事はすぐ知れる事であつたが、その
縹緻
(
きりやう
)
と、年輩とを以て未だに独身でゐるのはなぜかと云ふ
怪訝
(
けげん
)
も同時に誰にも起る筈である。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
縹緻
(
きりやう
)
が
可
(
い
)
いから一ツや二ツ
隠
(
か
)
くしても居れようがネ——私にしてからが、
只
(
た
)
だお前さんの行末を思へばこそ、
斯
(
かう
)
してウルさく勧めるんだアね、悪く取られて、たまつたもんぢやありませんよ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
突合
(
つきあは
)
せ相談なすに妻のお梅は漸く二十三歳にて
縹緻
(
きりやう
)
もよく
志操
(
こゝろざし
)
優
(
やさ
)
しき者なるが
夫
(
をつと
)
の
難儀
(
なんぎ
)
を
見兼
(
みかね
)
何事も
御主人樣
(
ごしゆじんさま
)
のお爲なれば此身を一年の
間
(
あひだ
)
何方
(
いづかた
)
へ
成
(
なり
)
とも
水仕奉公
(
みづしほうこう
)
に遣られ其給金にて夜具蒲團を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「病氣だつて、病氣でなくたつて、
縹緻
(
きりやう
)
の惡いことに變りないさ。
優雅
(
いうが
)
の處や、美の調和つて云ふものは、この顏には全然缺けてゐるよ。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
格子戸の中、
灯
(
あかり
)
から遠い土間に立つたのは、二十三——四の年増、ガラツ八が言ふほどの美い
縹緻
(
きりやう
)
ではありませんが、
身形
(
みなり
)
も顏もよく
整
(
とゝの
)
つた、
確
(
しつか
)
り者らしい奉公人風の女です。
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
水自慢は
縹緻
(
きりやう
)
自慢と一緒で、自慢する人自身の
拵
(
こしら
)
へ
物
(
もの
)
でないだけに面白い。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
捕
(
とら
)
へ出したる盜賊改め奧田主膳殿組與力笠原粂之進にて
則
(
すなは
)
ち此家へお梅奉公致しけるが此粂之進
獨身
(
どくしん
)
ゆゑ此お梅の
縹緻
(
きりやう
)
宜
(
よき
)
に
戀慕
(
れんぼ
)
し
種々
(
いろ/\
)
と
口説
(
くどく
)
と雖も此お梅
貞節
(
ていせつ
)
の女なれば決して
從
(
したが
)
はざるにより
彌々
(
いよ/\
)
粂之進思ひを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
晴着
(
はれぎ
)
を着た、女中のやうな
裝
(
なり
)
をした、お
内儀
(
かみ
)
さん風の、まだ若くて大層
縹緻
(
きりやう
)
のよい、髮と眼の黒い、
活々
(
いき/\
)
とした顏色の女だ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「
外面如菩薩
(
げめんによぼさつ
)
だ。金持、親分、旗本と手玉に取つて、自分の
縹緻
(
きりやう
)
と才智で、活き佛さまを地獄に引き
摺
(
ず
)
り込まうとした女だ。あんな女は石の地藏さままでモノにする氣になるだらうよ」
銭形平次捕物控:104 活き仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
相手は
妙齢
(
としごろ
)
の
縹緻
(
きりやう
)
よしといふでは無し、また別に色つぽい
談話
(
はなし
)
をするのでもなしするから、そんなに肩が擦れ合はないでもよかりさうなものだが、そこは男と女だけにまた格別なものと見える。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
勤度
(
つとめたし
)
と
強
(
しひ
)
て望むにより
素
(
もと
)
より吉原は心安き所故松葉屋半左衞門方へ
相談
(
さうだん
)
しけるに
縹緻
(
きりやう
)
と云ひ
藝
(
げい
)
と云ひ殊に歳頃も彼の望む處なれば
年
(
ねん
)
一
杯
(
ぱい
)
二十八までの
積
(
つもり
)
にて目見しけるに大いに心に
適
(
かな
)
ひ身代金百五十兩と
取極
(
とりきめ
)
君太夫が
請人
(
うけにん
)
にて母の
爪印
(
つめいん
)
も
相濟
(
あひすみ
)
新吉原松葉屋半左衞門方へぞ
到
(
いた
)
りける
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
白粉つ氣なしの
素袷
(
すあはせ
)
、色の白さも、唇の紅さも
艶
(
なま
)
めきますが、それにも増して、くね/\と品を作る骨細の身體と、露を
含
(
ふく
)
んだやうな、少し低い聲が、この女の
縹緻
(
きりやう
)
以上に人を惱ませます。
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それから爺さんは
縹緻
(
きりやう
)
よしの
寡婦
(
ごけ
)
婆
(
ばあ
)
さんと結婚したが、実をいふとその婆さんは一番目の
女房
(
かない
)
なので、婆さん自身は同じ男と二度目の結婚だとはよく知つてゐたが、爺さんは
何
(
な
)
にも気づかないで
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その小娘が世界中の一番
縹緻
(
きりやう
)
よしだつたか、どうかは私も知らない。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「成程、好い
縹緻
(
きりやう
)
だ。お前さんと一緒になるとかいふ」
銭形平次捕物控:032 路地の足跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
王の
后
(
きさき
)
マルゲリタは
縹緻
(
きりやう
)
自慢の女だつた。
茶話:08 大正十五(一九二六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
縹
漢検1級
部首:⽷
17画
緻
常用漢字
中学
部首:⽷
16画
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縹緻佳
縹緻美