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継
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まま
ふりがな文庫
“
継
(
まま
)” の例文
旧字:
繼
どうせ同じようなものだとしても、世間には、わざわざ
継
(
まま
)
娘の婿にまでなってあの家の余沢をこうむりたがったように見えるからね。
源氏物語:52 東屋
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
お江野には五つになる京之助という子がありますが、お江野と吉弥の間は、世に
謂
(
い
)
う
継
(
まま
)
しい仲でありながら何の隔たりもありません。
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
鞠子さんが
側
(
そば
)
からつけ加えた。この娘さんはお父さんには勿論、
継
(
まま
)
しいお母さんにでも、まるでお友達の様な口を利くのだ。
悪霊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
媼は、留学生から学んだ経験でその鑑別の法を知つてゐた。それから、
瓦斯火
(
ガスび
)
で
鍋
(
なべ
)
で焚くのであるが、決して
継
(
まま
)
の
飯
(
めし
)
にするやうなことはなかつた。
日本媼
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「はい有難うはございますが、母と
妾
(
わたくし
)
とは
継
(
まま
)
しい仲、たとえ実家へ帰りましても
辛
(
つら
)
いことばかりでございます」
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
「おります」とあだこは低い声で答えた、「父も母もいますし、弟が二人あります、けれどもいまの父が
継
(
まま
)
で、あたしがいてはうちがまるくいかないんです」
あだこ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
継
(
まま
)
しい母の手に育てられただけに、年の割には何かとよく気が付くので、お絹も彼女を可愛がっていた。
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
地獄の口の
開
(
あ
)
いた中から、水と炎の渦巻を浴びて、
黒煙
(
くろけむり
)
を
空脛
(
からすね
)
に踏んで火の粉を泳いで、背には清葉の
継
(
まま
)
しい母を、胸には捨てた(坊や。)の
我児
(
わがこ
)
を、
大肌脱
(
おおはだぬぎ
)
の胴中へ
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あなたの御容貌を
微塵
(
みじん
)
に打砕いたそのものは、あなたの
継
(
まま
)
のお母さんではありません、また、そのお母さんに味方をするという一類の人たちではありません、あなたの心の増長が
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それにあなたの
母御
(
おやご
)
様は、
継
(
まま
)
しい中のあなた様を、この上もないお憎しみ。死なふとまでの御覚悟も、どふやらそんな御事からと、あの晩深井様からあらましは、承つてをりまする。
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
然
(
しか
)
るに喜兵衛が野口家の後見となって身分が
定
(
きま
)
ってから、故郷の三ヶ谷に残した子の十一歳となったを幸手に引取ったところが、
継
(
まま
)
の母との
折合
(
おりあい
)
が面白くなくて間もなく江戸へ逃出し
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
今の奥様には
継
(
まま
)
なる
娘
(
こ
)
あり、桂次がはじめて見し時は十四か三か、
唐人髷
(
とうじんまげ
)
に赤き切れかけて、姿はおさなびたれども母のちがふ子は何処やらをとなしく見ゆるものと気の毒に思ひしは
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
リリーを一本吸ふたら目が廻つて来ましたつけ、と何日か古山の云ふたのは、
蓋
(
けだ
)
し実際であらう。斯くの如くして、自分は常に此職員室の異分子である。
継
(
まま
)
ツ子である、平和の攪乱者と目されて居る。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
継
(
まま
)
っ子根性てのがこれだろう。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
奥へ入ってみると、後添いのお国は、
継
(
まま
)
しい二番目娘お雪の部屋で、床の中に入ったまま、見事に喉笛を貫かれて死んでおりました。
銭形平次捕物控:129 お吉お雪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
小児
(
こども
)
と申しても
継
(
まま
)
しい中で、それでも
姉弟
(
きょうだい
)
とも、
真
(
ほん
)
の
児
(
こ
)
とも、賢之助は可愛くッてなりません。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
継
(
まま
)
しい仲を美しくしようとするあまり、水の使えない井戸ができあがってはたいへんです。
日本婦道記:桃の井戸
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
親父は一人娘で甘いのだし、お母さんは
継
(
まま
)
しい仲で、十分しつけが出来ないのだから、無理もないけれど、三千子さんという人は、恐らく生れつきの
淫婦
(
いんぷ
)
ではないかと思うね。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「文次郎ですよ。先妻の子で、お嘉代には
継
(
まま
)
しい仲だが、ちょっと好い男で——もっとも近ごろは隣の九郎助という者の娘お菊と仲が良いそうで」
銭形平次捕物控:147 縞の財布
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
肖
(
に
)
も着かぬが、乳母ではない、
継
(
まま
)
しいなかと見たが、どうも母親に相違あるまい。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
藤屋万兵衛の後妻で、年が二十以上も違うお
乃枝
(
のえ
)
というのは、御新造と言われても不思議のない若さで、一人っ子の万吉にも
継
(
まま
)
しい仲だったのです。
銭形平次捕物控:108 ガラッ八手柄話
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
とて語り出づる、大方の筋は
継母
(
ままはは
)
のその
継
(
まま
)
しき
児
(
こ
)
に
酷
(
むご
)
きなりけり。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「後添えでいらっしゃる、若殿様とは
継
(
まま
)
しい仲だが、至ってお
睦
(
むつ
)
まじい。奥方には今年十九になる
若葉
(
わかば
)
様という、それはそれは綺麗なお嬢様がある」
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
若殿時之助様御命を縮めたいと思うものは、当屋敷内に、
継
(
まま
)
しい奥方お勇様の外にあるはずはない——とおっしゃる
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
亭主
(
やど
)
の連れ
娘
(
こ
)
で私には
継
(
まま
)
しい仲ですよ。体が弱いくせに
妬
(
ねた
)
み根性が強いから、お菊ぐらいは殺し兼ねません」
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
勇太郎様は亡くなった
先
(
せん
)
の御新造の御子さんで、今のお君さんとは
継
(
まま
)
しい仲でございます。
銭形平次捕物控:043 和蘭カルタ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
継
(
まま
)
しい中の若い母親——実は父の妾のお通が着せてやったという、大柄の
銘仙
(
めいせん
)
の羽織は、袖畳みにして死骸の床の側に置いてあり、その上曲者が娘の背中に
突
(
つ
)
っ立てたままの匕首は
銭形平次捕物控:241 人違い殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
継
(
まま
)
しい仲ですもの、それはね——」
銭形平次捕物控:048 お藤は解く
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
継
常用漢字
中学
部首:⽷
13画
“継”を含む語句
継母
後継
継子
後継者
継娘
継足
継児
継続
矢継早
継目
継嗣
継布
継合
中継
継立
継橋
跡継
継紹
引継
継上下
...