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すわ
ふりがな文庫
“
素破
(
すわ
)” の例文
素破
(
すわ
)
とおどろき柴山と立ち上がろうとしましたが、意外にも大学生は、
和
(
なご
)
やかな表情で、上原にドライブをしないかと
誘
(
さそ
)
っています。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
首を縮め
帆立尻
(
ほたてじり
)
をし、ジリジリと後へ
退
(
さが
)
りながら、息を呑み眼を見張り、
素破
(
すわ
)
と云わば飛んで逃げようと、用心をして構えていた。
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
万太郎も
辺
(
あた
)
りの動揺につり込まれずにはおられません、
素破
(
すわ
)
と立って、言い合せた如く、金吾のあとから望楼へ向って駆け上がる。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうして
素破
(
すわ
)
という場合にはいつ何時でも、手と身とツンツンで飛出しさえすればこっちのものになるというわけである。
街頭から見た新東京の裏面
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
丁度この話の始まる日も、晩秋の高原一帯に風速十メートル内外の大西風が吹き始めたから、雇人たちは、
素破
(
すわ
)
こそとばかり、恐怖の色を浮べた。
人間灰
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
そして一同は
素破
(
すわ
)
と言えば直ちに起き上れるように、
施条銃
(
ライフル
)
や拳銃を握りしめたまま、床についたのであったがもちろん眠れるものではなかった。
令嬢エミーラの日記
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
石は松明に
中
(
あた
)
って、火の粉は乱れ飛んだ。
素破
(
すわ
)
やと一同色めいて、
何
(
いず
)
れも持ったる武器を
把直
(
とりなお
)
した。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
素破
(
すわ
)
と云えばすぐ辷り込めるよう重心を片足において目をくばって待機しているのである。
列のこころ
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
素破
(
すわ
)
っ、と驚いたが流石に半兵衛の供をしてきた若党だけある。清左衛門が抜くと共に市蔵も木刀を抜いた。定まらぬ腰ではあるが、主人大事と、遠くから「ヤアヤア」位で迫ってくる。
鍵屋の辻
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
素破
(
すわ
)
また事件の到来、凶事の発端、と、よろめく足を踏みしめながら、
鉄鎧戸
(
ベライン
)
を開いて露台から霧の街道を見おろすと、タヌは何やら黒い物体の上に
跨
(
またが
)
って、はなはだ快適な嬌声をあげているので。
ノンシャラン道中記:02 合乗り乳母車 ――仏蘭西縦断の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
もしそれが世に隠れて
切支丹
(
きりしたん
)
を奉ずる者の群だったら、
素破
(
すわ
)
とばかり、その発覚を恐れる心理に騒がされたはずです。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
引っかかったのが荻野八重梅、年が上のその上に、いうところのバンパイア、古風に云うと
白無垢
(
しろむく
)
鉄火、穏しく見せてはいるけれど、
素破
(
すわ
)
となれば肌をぬぐ。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
素破
(
すわ
)
一
大事
(
だいじ
)
とばかりに裏門の一隊と、表門に待機していた
予備隊
(
よびたい
)
とが息せききって
駈
(
か
)
けつけました。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかも、これで隠れおおせるかどうかは頗る疑問であるので、
素破
(
すわ
)
といわば飛び出して手あたり次第に斬り散らして逃げる覚悟で、彼はしっかりと大小を握りしめていた。
夢のお七
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
すると
忽
(
たちま
)
ち
背後
(
うしろ
)
の森の中に人音が聞えて、女の追手と
覚
(
おぼ
)
しき荒くれ男の数名が口々に『
素破
(
すわ
)
こそ淫仙よ』『殺人魔よ』『
奪屍鬼
(
だっしき
)
よ』と
罵
(
のの
)
しりつつ立ち現われ、前後左右を取り巻いて
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
素破
(
すわ
)
とばかりに振り返って見ると、白井誠三郎が袈裟に斬られ朱に染まって
斃
(
たお
)
れていた。そうして彼のすぐ背後に鏡葉之助が腕を
拱
(
こまぬ
)
き黙然として立っていた。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
素破
(
すわ
)
! 両剣士への合図か——と思うとそうではなかった。
鷹匠頭
(
たかじょうがしら
)
が引率する鳥見組十二列が静々とご前へ現われて、厳粛なうちに華やかなお鳥追の式礼を済ます。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
つづいて一ヵ所の陥し穽で
鳴子
(
なるこ
)
の音がきこえた。
素破
(
すわ
)
こそと彼等は一度そこへ駈けあつまって、用意のたいまつに火をともして窺うと、穴の底に落ちているのは人であった。
馬妖記
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
素破
(
すわ
)
! 雁金検事も大江山課長も、卓子を
小楯
(
こだて
)
にとって、無気味な哄笑のする方を注視した。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
今日は
平生
(
いつも
)
と違って王宮の中はどの廊下もどの廊下も鎧を着た兵士が立っていて、皆
鞘
(
さや
)
を払った
鎗
(
やり
)
や刀を
提
(
ひっさ
)
げて、奥の方を一心に見詰めながら、
素破
(
すわ
)
といわば駈け出しそうにしています。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
まさしく金吾だ——金吾が魔薬のしびれからさめて、そこへ身を挺して来たのだと思いましたから、稲吉はじめ
匕首
(
あいくち
)
をもった黒衣の面々、
素破
(
すわ
)
と油断がありません。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
素破
(
すわ
)
こそというので、客席から割れるような拍手が起った。客席の
灯火
(
あかり
)
がやや暗くなり、それと代って天井から強烈なスポット・ライトが美しい
円錐
(
えんすい
)
を描きながら降って来た。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
素破
(
すわ
)
ご主君ご
生害
(
しょうがい
)
ぞ! 死ねや死ねや我らも死ねや! ご主君のお供仕れ!」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
素破
(
すわ
)
こそと胸を轟かして玄関に駈け付けて見ますと、こは
如何
(
いか
)
に。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
右往左往の影が、あらぬ口走りを放ち合い、ただ「
素破
(
すわ
)
や」とのみで、たれひとり生色はない。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
途端
(
とたん
)
に聞ゆる悲鳴、
素破
(
すわ
)
ピストルの弾丸が命中したかと思った
刹那
(
せつな
)
、傍らの壁に突然ポッカリと丸窓のような穴が明き、蠅男の右腕がまずポーンと飛びこむと、続いて首と胴が
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
素破
(
すわ
)
! と云うような意気込みで、秋安は円座から飛び上ったが、鹿角にかけてあった太刀を
握
(
つか
)
むと、襖をひらいて外へ出た。出た所に縁がある。縁を飛び下りた秋安は、声のした方へ突っ走った。
血ぬられた懐刀
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
素破
(
すわ
)
こそと皆
蹶起
(
けっき
)
して正座し、その方向に向って両手を支えた。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
これを聞くやいな、花山院ノ師賢以下の公卿も、おのおの
素破
(
すわ
)
と身じたくに慌てだした。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
素破
(
すわ
)
こそと、見上げる市民の瞳に、機翼の長い偵察飛行機の姿がうつった。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
素破
(
すわ
)
や合戦とある時には、一方の
物頭
(
ものがしら
)
ともなる男が、女房の愛に引かされて、さほどの大事をうかうかと明かし、頼まれたお方を裏切るとは! ……我は鎌倉譜代の武士、六波羅の重恩受けたる身
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
素破
(
すわ
)
——と、水戸記者が横を見ると、ドレゴ記者が床にぶっ倒れていた。
地球発狂事件
(新字新仮名)
/
海野十三
、
丘丘十郎
(著)
「——
素破
(
すわ
)
」と、六所神社のうちでも、総立ちになった。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
素破
(
すわ
)
や! と民弥は半身を起こした。
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
素破
(
すわ
)
、なにごとか、事件が起ったらしい。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
素破
(
すわ
)
や! と右内は
蹶起
(
けっき
)
した。
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
『
素破
(
すわ
)
、何事が?』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
素破
(
すわ
)
、変事!」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
素破
(
すわ
)
こそ!」
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
素破
(
すわ
)
、異変だ!
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
素破
(
すわ
)
や!」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
素破
(
すわ
)
、火事?
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
素破
(
すわ
)
」
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『
素破
(
すわ
)
』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
素破
(
すわ
)
っ。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
素
常用漢字
小5
部首:⽷
10画
破
常用漢字
小5
部首:⽯
10画
“素破”で始まる語句
素破抜
素破拔
素破事