精密せいみつ)” の例文
專門上せんもんじやう知識ちしきのない小六ころくが、精密せいみつ返答へんたふをしはず無論むろんなかつた。かれはたゞ安之助やすのすけからいたまゝを、おぼえてゐるかぎねんれて説明せつめいした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
A イヤ、あれは本統ほんとうだよきみ。ちやんと新聞しんぶんいてあつた。それを精密せいみつ記憶きおくしてるのがすなはおれ頭腦づなう明晰めいせきなる所以ゆゑんさ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
陳列所ちんれつじよ雨垂あまだおち積重つみかさねてある打製石斧だせいせきふは、かぞへてはぬが、謙遜けんそんして六七千るとはう。精密せいみつ計算けいさんしたら、あるひは一まんちかいかもれぬ。
左右の壁には精密せいみつ器械るいが、黄びかりのするパネルを並べて整然としていた。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
深井の二君は精密せいみつなる地図をせいせられたり、利根河上流の模様もやうは将来すこぶる改正をえうするなり、上越国界にいたりても同じく改正を要すれども、なほ精確せいかくを得んには向後尚一国上越及岩代の三ヶ国より
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
尚ほ製法(打製、磨製等)功用(利器、容器等)用途(日用器具、漁獵具等)に由つても分類ぶんるゐするを得れど、餘りに精密せいみつわたりて專門的に傾くは、畫報の記事として不適當ふてきたうなるの感無きに非ざれば
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
ただ岸上がんじょうより望観ぼうかんする者にしてはじめてその精密せいみつなるおもむきを知るべし。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
A ヤア、きみをんなことになると、だいぶん精密せいみつ數字すうじげてくるね。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)