監視かんし)” の例文
「なるほど、それじゃいつか牛丸君を誘拐ゆうかいした、六天山塞ろくてんさんさいの山賊のゆくえをさぐるために、チャンウーの店を監視かんしするというんだね」
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
でも思い切って刑務所けいむしょの中へはいって行くのがちょっとちゅうちょされた。だれかがわたしをじっと監視かんししているように思われた。
校長先生始め先生方に嚴格な監視かんしをしていたゞき、就中、この子の一番惡いくせうそをつくことを防いでいたゞけますなら、私は嬉しいんですが。
ところが、こうの親切や差入れ物も、やがてぷッつり絶えてしまった。総督方の監視かんしは水もらさぬ手を打って、それを出来なくしていたらしい。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこでその男は、おきみを前に立て、煙草に火をつけ、悠々とふかしながら、いかにもおきみの行動を監視かんしするかのやうにして病院の玄關を出た。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
可哀かわいそうに。監視かんしされながら、芝居を見ているようだ。」——穂積中佐は憐むように、ほとんど大きな話声も立てない、カアキイ服のむれを見渡した。
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
かくてイバンスとケートは、運転手室にとじこめられて、厳重な監視かんしをうけた。不安のうちに三日すぎた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
ただし、当局側とうきょくがわ見解けんかいでは、まだ十ぶんなきめがない。監視かんしつきでひとまず帰宅きたくゆるしたのであつた。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
町役人の監視かんしの下に一と晩だけ現金の番人をしてゐた番頭の伊八が、因縁いんねん付きの離屋で蟲のやうに殺され、睨めつこをしてゐた筈の八千兩の小判が、宵から曉方までの間に
假令たとひ監視かんしからのがれてをんな接近せつきんしたとしても、んだをんなじやうこはければ蛸壺たこつぼたこだまされるやうにころりとおと工夫くふうのつくまではをとこ忍耐にんたいむし危險きけんとをあわせてしのがねばらぬ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それがため警察がひそかに未亡人を監視かんしすると、未亡人は、緑川順という年若き小説家の愛人があるとわかり、愛人の家宅を突然捜索すると、ちょうど北沢が自殺に用いたと同じピストルが発見され
闘争 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
塔は、原子弾げんしだんが近づくのを監視かんししている警戒塔けいかいとうです。すべて原子弾を警戒して、こんな銀座風景ぎんざふうけいになったのです。みんな地下に住んでいます。
三十年後の東京 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ドノバンはとものイバンスのかたわらにすわった。富士男はモコウとへさきのほうにすわって帆を監視かんしした。船が動くとともに一同は左門洞にむかって三拝した。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
五分とたたないうちに、わたしはこの人情にんじょうのない、そのくせいやに監視かんしの行きとどいている村をはなれた。
と、いう口実で、約十名ばかりの土豪兵は、彼を監視かんししながら、持福寺までいて来た。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうして千枝子にはわからなくても、あの怪しい赤帽が、絶えずこちらの身のまわりを監視かんししていそうな心もちがする。こうなるともう鎌倉どころか、そこにいるのさえ何だか気味が悪い。
妙な話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
周三の毎日の行動を一つ/\監視かんしし、束縛そくばくしたのであつた。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
「なんだと。そんなことを言って、このおじょうさんの憲兵けんぺいが、わたしを監視かんしするつもりだろう」
わしには、さっぱりわけが分からんですが、きのうわしは研究所に近づいてへいの破れから中を監視かんししていますと、いきなり脳天のうてんをなぐりつけられたんです。気が遠くなりました。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
てまえが聞き入れた事では、伊丹城の重臣の二、三が結託けったくして織田家のきびしい監視かんしの眼をくぐり、沢山な糧米や穀物こくもつを闇売りいたしたのが、安土へ知れたのが、もとかと思われまする
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうだ。おまえとロックが監視かんししろ」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
伊丹いたみを本城として、尼ヶ崎城と兵庫の花隈城はなくまじょうとをむすび、三城連環の線をなして、中国大坂間の交通を遮断しゃだんし、本願寺そのほかの反信長分子と毛利家との連絡をきびしく監視かんししている。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうです。われわれもだいたい、そういう見込で、ヘクザ館には厳重げんじゅう監視かんし
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「父はまあ、文官ですが、牢城監視かんし隊の張軍団長には、直接の上官です」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すなわち毛利軍の独壇場どくだんじょうともいうべき瀬戸内せとうちの海上権にものをいわせて中国沿岸は元より大坂から芸州げいしゅうにわたる間には、きょうこのごろその水軍たる大小の兵船がわが物顔に監視かんしの眼をひからせて
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)