トップ
>
牛耳
>
ぎゅうじ
ふりがな文庫
“
牛耳
(
ぎゅうじ
)” の例文
だけど、僕、ねえ、父さん、僕、フランス語の作文でなら、近いうち、だんぜん
牛耳
(
ぎゅうじ
)
って見せるよ。そして、そいつを続けてみせるよ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
英山は文化初年鳥居清長歿し続いて喜多川歌麿世を去りし
後
(
のち
)
初めは豊国と並び後には北斎と
頡頏
(
きっこう
)
して
一時
(
いちじ
)
浮世絵界の
牛耳
(
ぎゅうじ
)
を
把
(
と
)
れり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
多紀氏は江戸時代の漢方医学の
牛耳
(
ぎゅうじ
)
を握って、あるいは医学校を創立して諸生を教え、あるいは書物を校刊して学者の
研鑽
(
けんさん
)
の資に供した官医で
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
振り返って見ると、兄の鏡之介である——真庭念流の剣客で、下妻藩の若侍たちのあいだに、
牛耳
(
ぎゅうじ
)
をとっている荒武者。
平馬と鶯
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ゴリキイはレニンに全く
牛耳
(
ぎゅうじ
)
られて
易々諾々
(
いいだくだく
)
のふうがあった、プルウストのかの出版屋への三拝九拝の手紙、これをこそ、きみ、リアルというか。
HUMAN LOST
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
この三名がいわば江戸に残っている旧藩士の在府組の
牛耳
(
ぎゅうじ
)
を執っている者たちであり、即時断行を、持論としていた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
八五郎は
一言
(
いちごん
)
もありませんでした。お神楽の清吉に
牛耳
(
ぎゅうじ
)
られて、日頃の八五郎に似気なく、ほとんど周助殺しの調べの筋も通してはこなかったのです。
銭形平次捕物控:095 南蛮仏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その女はその頃露悪的な冗談を言っては食堂へ集まって来る他の付添婦たちを
牛耳
(
ぎゅうじ
)
っていた中婆さんなのだった。
のんきな患者
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
唯
(
ただ
)
取柄なのは、家庭や団体なんかが
牛耳
(
ぎゅうじ
)
れそうな精力的なところなんですが……僕あそんなもの欲しくないんです
母子叙情
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
去年まで応援団に
牛耳
(
ぎゅうじ
)
っていた新太郎君と寛一君は○○大学の成績が益〻好いにつれて、ソロ/\日曜丈けでは
堪能
(
たんのう
)
出来なくなった。但し二人は意味が違う。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
倉地が
日清
(
にっしん
)
戦争にも参加した事務長で、海軍の人たちにも航海業者にも割合に広い交際がある所から、材料の
蒐集
(
しゅうしゅう
)
者としてその仲間の
牛耳
(
ぎゅうじ
)
を取るようになり
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
例の南条力が
牛耳
(
ぎゅうじ
)
を取っていて、このごろ暫く姿を見せなかった五十嵐甲子雄も、その
側
(
わき
)
に控えています。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
なかなかな変り者で、また
極
(
ごく
)
ずいの勉強家で、その丹念なことに
到
(
いた
)
っては驚くばかりでした。後に大阪に帰り、京阪地方で彫刻家の
牛耳
(
ぎゅうじ
)
を取るようになりました。
幕末維新懐古談:78 谷中時代の弟子のこと
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
六帖へ戻るとすぐ、亀吉が隣りの女の子を
伴
(
つ
)
れて来、お芳といっしょに遊び始めた。隣りのおたつは五つ、亀吉は七つであるが、どちらもお芳に
牛耳
(
ぎゅうじ
)
られていた。
ちゃん
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
綾之助党は三田の慶応義塾と芝の
攻玉舎
(
こうぎょくしゃ
)
の生徒が
牛耳
(
ぎゅうじ
)
をとっていた。それが今日の
堂摺連
(
どうするれん
)
の元祖である。
竹本綾之助
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
ダリアはこの事を
勿論
(
もちろん
)
感づいた。しかしだネ、彼女は悪魔だけに賢明だった。事を
荒立
(
あらだ
)
てる代りに、
一層
(
いっそう
)
深山の弱点を抑えて、徹底的にこれを
牛耳
(
ぎゅうじ
)
ってしまう考えだった。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
牛の耳の
乾物
(
ほしもの
)
——私は
西班牙
(
スペイン
)
まで来て、今日はじめて「
牛耳
(
ぎゅうじ
)
を取る」という意味が解った。
踊る地平線:07 血と砂の接吻
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
座談を進んで
牛耳
(
ぎゅうじ
)
ったし、弁護士は弁護士で、初め身体が弱っていると言ったのはどうも新しい訪問客を追っ払うためのものだったらしく、手を耳にあてて注意深く聞いていた。
審判
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
今になって、
想
(
おも
)
い当たる。宮川先生も君、あれで中津川あたりじゃ国学者の
牛耳
(
ぎゅうじ
)
を執ると言われて来た人ですがね、年をとればとるほど漢学の方へ
戻
(
もど
)
って行かれるような気がする。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その京都ではすでに「浪士」派の「学習院党」が陰然政界を
牛耳
(
ぎゅうじ
)
っている。
新撰組
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
彼らはそれぞれ自分の新聞をもっていた。大胆な立ち入った覚え書きを発表していた。人
真似
(
まね
)
をして時間をつぶす遊惰な大子供たるパリー人中で、それらの完全な
猿
(
さる
)
どもが
牛耳
(
ぎゅうじ
)
を取っていた。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
それは市役所が民政党のために
牛耳
(
ぎゅうじ
)
られていると君達が考えていることについてだ、このことは栄誉ある市役所のために声を高くして弁じたい、市は市として独自の建前があり、市民全般の福利
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
で自然、堂上の若い層を
牛耳
(
ぎゅうじ
)
って、その先駆者をもって、みずから任じているのも、道理とこそは思われた。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
イハンヤワガ江戸ノ大ナルヤ、文章ノ
淵藪
(
えんそう
)
ニシテ、
牛耳
(
ぎゅうじ
)
ヲ執リ盟主トナル者騒壇ニ角立スルヲヤ。余故ニカツテ曰ク江戸諸公ノ詩ハ海内学者ノ
模楷
(
もかい
)
規矩タリ。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
僕達は幸いにして、校長の期待に
反
(
そむ
)
かなかった。以来二十年、中島君と僕は温泉組合を
牛耳
(
ぎゅうじ
)
っている。
ある温泉の由来
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
たちまちのうちにその
牛耳
(
ぎゅうじ
)
を握り、外国宣教師だとか、貴婦人だとかを引き入れて、政略がましく事業の拡張に奔走するようになると、内田はすぐきげんを損じて、
早月親佐
(
さつきおやさ
)
を責めて
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
明らかにほかの二人を
牛耳
(
ぎゅうじ
)
っているらしい一人の男がまず彼の眼をひいたが、一種の濃い色の革服を着て、
頸
(
くび
)
から胸元深くまでと両腕全体とをむきだしにしていた。この男は黙っていた。
審判
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
「僕あ、すぐ、この辺を
牛耳
(
ぎゅうじ
)
っちゃうよ」
母子叙情
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
勝家はすでに、
牛耳
(
ぎゅうじ
)
を取ったものと
観
(
み
)
たのだ。ところが
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“牛耳”の意味
《名詞》
牛耳(ぎゅうじ)
牛の耳。
(出典:Wiktionary)
牛
常用漢字
小2
部首:⽜
4画
耳
常用漢字
小1
部首:⽿
6画
“牛”で始まる語句
牛
牛蒡
牛込
牛車
牛乳
牛酪
牛頭
牛肉
牛馬
牛乳屋