あそ)” の例文
きみこれきてこれけんとしていはく、「かうなるかな、ははめのゆゑ刖罪げつざいをかせり」と。きみ果園くわゑんあそぶ。彌子びしももくらうてあまし。((彌子))つくさずしてきみたてまつる。
三丰かつて武当のしょ巌壑がんがくあそび、このやま異日必ずおおいおこらんといいしもの、実となってこゝに現じたる也。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ただそれしきのものがこよなく美しく目ざましい。私がせいせいとしてあらたにかえられた水にあそぶ魚のように呼吸をしてるところへ△△さんが洗面器に湯をもってくる。
胆石 (新字新仮名) / 中勘助(著)
あとには、水禽みずとりだけが、あそんでいた。清盛は、腹が立たなかった。むしろ、よいいとまをもったように、流れで、手など洗い、曲がっている烏帽子えぼしを、まっすぐに、正したりした。
八大はちだいの魚や新羅しんらの鳥さへ、大雅たいがの巖下にあそんだり、蕪村ぶそんの樹上にんだりするには、余りにたくましい気がするではないか? 支那の画は実に思ひのほか、日本の画には似てゐないらしい。
支那の画 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
あれは多紀茝庭たきさいていの命じた名だということが、抽斎と森枳園もりきえんとの作った序に見えており、訪古の字面じめんは、『宋史そうし鄭樵ていしょうの伝に、名山めいざん大川たいせんあそび、奇を捜しいにしえを訪い、書を蔵する家にえば、必ず借留しゃくりゅう
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
この男が書いた草書は「飛鴻ひこう海に戯れ、舞鶴ぶくわく天にあそぶが如し」
安政丁巳四年の春師弘庵京師にあそぶ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
管仲夷吾くわんちういご(一)潁上えいじやうひとなりわかときつね鮑叔牙はうしゆくが(二)あそぶ。鮑叔はうしゆく其賢そのけんる。管仲くわんちう貧困ひんこんにして、つね鮑叔はうしゆくあざむく。鮑叔はうしゆくつひ(三)これぐうし、もつげんさず。