ざま)” の例文
新字:
「さうだ、まつたすね。わるくすると、明日あしたあめだぜ‥‥」と、わたしざまこたへた。河野かうのねむさうなやみなかにチラリとひかつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
して日頃より文傳へする冷泉が、ともすれば瀧口殿を惡しざまに言ひなせしは、我をさそはん腹黒き人の計略たくみならんも知れず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
『好い氣味だ。ざまを見ろ。とう/\自分の爲た事をすッかり反古ほごにしてしまやがつた。』と斯う思ひました。
反古 (旧字旧仮名) / 小山内薫(著)
宗助そうすけ樂々らく/\火鉢ひばちそば胡坐あぐらいて、大根だいこんこうものみながら湯漬ゆづけを四はいほどつゞけざまんだ。それからやく三十ぷんほどしたら御米およねがひとりでにめた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
身體からだはきれいでもつらよごれた、ざまろ。おかげで草鞋わらぢ穿かせやがる。」
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「神樣、神樣。」と心は續けざまに叫んで居る。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
きみよ』とべば、ちどまり、振向ふりむざま
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)