とき)” の例文
我若しヴィルジリオとを同じうするをえたらんには、わが流罪るざいとき滿つること一年ひととせおくるゝともいとはざらんに。 一〇〇—一〇二
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ほろぼすところにかかっておるのじゃ! さればこのたびの汝の所業は、神のくにへの裏切りじゃぞ! ……許さるるときあるまいぞよ! ……日夜念々神の怒り
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
春はと人のたのめ奉れる事ありしか。又春のうちにと人に御ことよさし給ひし事のありけるが、それがときを過ぎたりければ、その人をそゝのかし、その期おくれたるを
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
九三からすかしらは白くなるとも、都にはかへるべきときもあらねば、定めて九四海畔あまべおにとならんずらん。
願ふ所存しよぞんなり萬一小石川御屋形おやかたに於ても御取用おとりもちひなき時は越前が運命うんめいつくときなり其時予は含状ふくみじやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
今から七年前の秋、どんなにもして時を作り、源氏を改訳するめを果そうと急に思い立つときが来た。そしてすぐに書きはじめ書きつづけ、少い余命の終らぬ間を急いだ。
ねがわくは汝我を陰府よみかくし、汝の震怒いかりむまで我をおおい、わがためにときを定めしかして我をおもい給え」(十三)とは再生の欲求の発表である。ヨブは今神の怒に会えりと信じている。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
「では、ときを誤らないようにしてください」
蘇生 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
と、そのすべてが自ずと解かれるときが来た。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
神の恩惠めぐみにより、此人汝等の食卓つくゑより落つる物をば、死が未だ彼のときを定めざるさきにあらかじめ味ふなれば 四—六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「大弥太も逆意をあからさまにし、この館へとり詰めるという。……いよいよ十津川このちを去るときとなったぞ」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
只清盛が一二三人果にんくわ大にして、親族氏族うからやからことごとく高き官位につらなり、おのがままなる国政まつりごと執行とりおこなふといへども、一二四重盛忠義をもてたすくる故、いまだときいたらず。汝見よ、平氏も又久しからじ。
善惡ぜんあく邪正じやしやう判然あらはるゝとき至れるかなころは享保四年の二月に時の町奉行大岡越前守忠相殿住吉町吉兵衞のねがひ出し一件ちく聞糺きゝたゞされ老中方へ申立られかゝり役人評議ひやうぎの上右關係の者共評定所へ呼び出され吟味あるべしと定まり尤も此度は最初さいしよより見込みこみの儀もこれあるに付當日の吟味は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いよいよ死ぬときが参りました。もうこの遺書を書きつづけるひまも、たくさんはあるまいと存ぜられます。
正雪の遺書 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ときいたりて初めて實を結び年毎にその葉を失へどもこの木は然らず、頂によりて生き(至高の天にいます神よりその生を安くるが故に)、たえず實を結び(新なる聖徒をえ)
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「八ヶ嶽山上窩人に対しては、深讐しんしゅう綿々ときけん、これ水狐族の遺訓たり」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
相叶うとき参ったぞ! ……頼春、今夜より真人間になれるわ!
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)