はい)” の例文
景隆が大軍功無くして、退いて徳州とくしゅうに屯す。黄子澄そのはいを奏せざるをもって、十二月に至ってかえって景隆に太子たいし太師たいしを加う。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
今まではとにかくにはいも取らずに来たが、次の戦いはどうであるか、すうよりせば、我が軍はとうてい北軍に比しがたい。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
(六六)周澤しうたくいまあつからざるに、しか(六七)きはめてなれば、せつおこなはれてこうるときはすなは(六八)とくく、せつおこなはれずしてはいるときはすなはうたがはれん、かくごとものあやふし。
ぼく先づ出ぢんに及んで何と四せうはい、すつかり得になつてゐると、つい二三日前には口しさのはらやさんずとむかうから來せんに及んで何と三はいせう、物の見事に復讐ふくしうされてしまつた。
いわんや必勝ひっしょうさんしてはいし、必敗ひっぱいを期してつの事例も少なからざるにおいてをや。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「ば、ばかな……」と呼延灼こえんしゃくは耳もかさず「——そんなわけはない。乱軍の誤認だろう。一頭一頭鎖甲くさりよろいで馬体をかためている連環れんかんの鉄騎が、そんな無造作なはいをとるわけがあるものか」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ま、はい殘の人さな。俺の阿母おふくろも然うだツたが、家の母娘おやこだツて然うよ。昔は何うの此うのと蟲の好い熱を吹いてゐるうちに、文明の皮を被てゐる田舎者に征服せいふくされて、體も心も腐らして了ふんだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
しんあまねくし衆を和するも、つねここおいてし、わざわいを造りはいをおこすも、つねここに於てす、其あくに懲り、以て善にはしり、其儀をつつしむをたっとぶ、といえり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)