“敗荷”の読み方と例文
読み方割合
はいか100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
蓮の実とか、敗荷はいかとかいう季寄本位の観念を離れて、秋天の下にいよいよ青い蓮葉を見る。そこに元禄の句の自然なところがある。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
敗荷はいか、ああ敗荷よ。さながら人を呼ぶ如く心に叫んで、自分はもはや随分ずいぶん歩きつかれていながらも、広い道を横切り、石段を下りて、また石橋を渡った。
曇天 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
八幡の駅の改札口を出て、小さい旅行鞄を左の手に、毛布を右の手に抱えて田圃たんぼの方へ出た。このあたりには、広々と敗荷はいかの池が続いていた。これから、どこへ行こうという目あてもない。
みやこ鳥 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)