掛聲かけごゑ)” の例文
新字:掛声
「やツ、」とひとツ、棄鉢すてばち掛聲かけごゑおよんで、敷居しきゐ馬乘うまのりに打跨うちまたがつて、太息おほいきをほツとく……
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
うまへの掛聲かけごゑもつともらしくした。茶碗ちやわん拍子ひやうしれて一どうはぴつたりしづかにつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
あとになしていだくるま掛聲かけごゑはし退一人ひとりをとこあれは何方いづく藥取くすりとりあはれの姿すがたやと見返みかへれば彼方かなたよりも見返みかへかほオヽよしさまことばいままろでぬくるま轣轆れきろくとしてわだちのあととほしるされぬ。
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
御出おいでです。うも相變あひかはらずさむいぢやありませんか」とつねとほ元氣げんき主人しゆじんると、子供こども大勢おほぜい自分じぶんまへならべて、其中そのうち一人ひとり掛聲かけごゑをかけながら、じやんけんつてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)