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せつしや
ふりがな文庫
“
拙者
(
せつしや
)” の例文
聞
(
きゝ
)
暫
(
しば
)
し思案して申ける樣和尚は何と
思
(
おも
)
はるゝや
拙者
(
せつしや
)
大言
(
たいげん
)
を
吐
(
はく
)
に似たれども伊賀亮
程
(
ほど
)
の大才ある者久しく山中に
隱
(
かく
)
れて
在
(
ある
)
は
黄金
(
こがね
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
拙者
(
せつしや
)
は
故
(
ふるく
)
から此石とは
馴染
(
なじみ
)
なので、この石の事なら
詳細
(
くはし
)
く
知
(
しつ
)
て居るのじや、
抑
(
そもそ
)
も此石には九十二の
竅
(
あな
)
がある、其中の
巨
(
おほき
)
な
孔
(
あな
)
の中には
五
(
いつゝ
)
の
堂宇
(
だうゝ
)
がある
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
平八郎は
項垂
(
うなだ
)
れてゐた
頭
(
かしら
)
を挙げて、「これから
拙者
(
せつしや
)
の
所存
(
しよぞん
)
をお話いたすから、一同聞いてくれられい」
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「いや
何
(
ど
)
うも御記憶のいゝ事で。」と卜新氏は長い間
生薬
(
きぐすり
)
と女の唇とを
嘗
(
な
)
めて来たらしい口を
開
(
あ
)
けて笑つた。「あれは
往事
(
むかしごと
)
で
拙者
(
せつしや
)
ももう当年八十四歳になりますでな。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
湯
(
ゆ
)
はきび/\と
熱
(
あつ
)
かつた。
立
(
た
)
つと
首
(
くび
)
ツたけある。
誰
(
たれ
)
の?……
知
(
し
)
れた
事
(
こと
)
拙者
(
せつしや
)
のである。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
「何を馬鹿なことを言ふのだ。拙者の來國俊は縁側の刀架にあつたのだぞ——その時拙者は
雪隱
(
せつちん
)
に入つて居たのだ。
拙者
(
せつしや
)
に知られずに、縁側を刀架の側まで來る工夫があると思ふか」
銭形平次捕物控:246 万両分限
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
したりけん
懷中
(
くわいちう
)
より
書付
(
かきつけ
)
一通取出し扨此書付は久八殿が
拙者
(
せつしや
)
の
引負
(
ひきおひ
)
引受
(
ひきうけ
)
て呉られし後日の
證據
(
しようこ
)
に渡し
置
(
おく
)
と
言
(
い
)
ひながら兩人の前にさし置きける其文は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
雲飛
(
うんぴ
)
は
驚
(
おどろ
)
いて『
飛
(
と
)
んだことを言はるゝ、これは
拙者
(
せつしや
)
永年
(
ながねん
)
祕藏
(
ひざう
)
して居るので、
生命
(
いのち
)
にかけて
大事
(
だいじ
)
にして居るのです』
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
成程
(
なるほど
)
自分の役柄は
拙者
(
せつしや
)
も心得てをります。
併
(
しか
)
し
頭
(
かしら
)
遠藤殿の
申付
(
まをしつけ
)
であつて見れば、
縦
(
たと
)
ひ
生駒山
(
いこまやま
)
を越してでも出張せんではなりますまい。御覧の
通
(
とほり
)
拙者は
打支度
(
うちしたく
)
をいたしてをります。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「いや、物音がすれば、
拙者
(
せつしや
)
が飛び出して、人手を借りるまでもなく成敗する」
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あゝそつと/\
私
(
わたし
)
……です、
拙者
(
せつしや
)
、
拙者
(
せつしや
)
。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
廻
(
めぐ
)
らしける此時藤井左京は大膳に向ひ某し近頃此地へ參り貴殿の門弟とは相成たれど
未
(
いま
)
だ
寸功
(
すんこう
)
も立てざれば
切
(
せめ
)
て
今宵
(
こよひ
)
舞込
(
まひこみ
)
し仕事は何卒
拙者
(
せつしや
)
に
料理方
(
れうりかた
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
乃
(
そこ
)
で叟の
言
(
い
)
ふには『
如何
(
どう
)
です、石は
矢張
(
やは
)
り
貴君
(
あなた
)
の物かね、それとも
拙者
(
せつしや
)
のものかね。』
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「芝田氏、飛んだことに相成つて何んとも申譯はない。が、これと申すも、娘の
不所存
(
ふしよぞん
)
から起つたこと、本來ならば父親の
拙者
(
せつしや
)
が坊主になつても詫をするところだが、今更それも詮ないことだ」
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ビリビリ破つたりするさうだ。浪人者の貧乏な
拙者
(
せつしや
)
には向きさうもないて
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
拙者
(
せつしや
)
は
芦名
(
あしな
)
光司と言ふ、浪人者だが」
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“拙者”の意味
《代名詞》
拙者(せっしゃ)
(もとは武士が)自らを謙遜した語。わたくし。拙子。
(出典:Wiktionary)
拙
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
者
常用漢字
小3
部首:⽼
8画
“拙者”で始まる語句
拙者方
拙者事
拙者儀
拙者共
拙者宅
拙者迄
拙者宅迄
拙者方家人