我国わがくに)” の例文
旧字:我國
今度のアメリカの原子爆弾の研究費二十億ドルくらべては恥ずかしい話であるが、当時の我国わがくにとしてはそれでも破天荒なことであった。
原子爆弾雑話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
我国わがくににては地中の水気すゐき雪のために発動うごかざるにや、雪中には雨まれ也、春はことさら也。それゆゑくだんのごとく日にさらすはれのつゞく事あり。
その事実をしるさんに、外国公使中にて最初さいしょ日本人にしたしかりしは米公使タオンセント・ハリスにして、ハリスは真実好意こういを以て我国わがくにに対したりしも
古来我国わがくにの婚礼は、愛のためにせずして社会のためにす。奉儒ほうじゆの国は子孫なからざるべからずと命ずるに因れり。
愛と婚姻 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
我国わがくに木版術の精巧は春画をきて他に看るべからず。毛刻けぼりは鼠の歯を以てなすものなりといふ。されど記者いまだ真偽を確めしにあらず。かかる事は確めざるをよしとす。
猥褻独問答 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
あのようなものをせるのはいと容易たやすいがただ我国わがくにかみみちとして、一さい方便ほうべん使つかわぬことにしてある……。そなたはただ一人ひとりこの道場どうじょうむことを心細こころぼそいとおもうてはならぬ。
万葉集は我国わがくにの大切な歌集で、誰でも読んで好いものとおもうが、何せよ歌の数が四千五百有余もあり、一々注釈書に当ってそれを読破しようというのは並大抵のことではない。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
丁度その頃は真空管が我国わがくにでも実用化されかけて来た時であったし、それにM君の親戚しんせきに当る関西のる大会社でもその方面に力を入れようとしていたので
我国わがくに頸城郡くびきこほり米山よねやまふもと医王山いわうさん米山寺べいさんじは和同年中の創草さう/\なり。山のいたゞきに薬師堂あり、山中女人をきんず。此米山の腰を米山たふげとて越後北海の駅路えきろなり、此ほとり古跡こせき多し。
謙三郎もまた我国わがくに徴兵の令に因りて、予備兵の籍にありしかば、一週日以前既に一度ひとたび聯隊に入営せしが、その月その日の翌日あくるひは、旅団戦地に発するとて、親戚しんせき父兄の心を察し
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おそおおくはございますが、我国わがくに御守護神ごしゅごしんであらせられる邇々藝命様ににぎのみことさまはじたてまつり、邇々藝命様ににぎのみことさましたがって降臨こうりんされた天児屋根命あまのこやねのみこと天太玉命あまのふとだまのみことなどともう方々かたがたも、いずれもみなそうした生神様いきがみさま
第三の方法は一番良い方法であるが、現在の我国わがくにでは行われない方法である。それは世界的に見て本当に一流の学者に通俗科学の本を書いてもらうことである。
科学と文化 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
我国わがくに頸城郡くびきこほり米山よねやまふもと医王山いわうさん米山寺べいさんじは和同年中の創草さう/\なり。山のいたゞきに薬師堂あり、山中女人をきんず。此米山の腰を米山たふげとて越後北海の駅路えきろなり、此ほとり古跡こせき多し。
勿論我国わがくにでもこの時代に既に理研りけん仁科にしな博士の下や、阪大はんだい菊池きくち教授の所で、原子物理学関係の実験が開始されていたので、そういう方面からも進言があったことであろう。
原子爆弾雑話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
はずかしい話であるが、現在の我国わがくにの科学界は世界の水準を抜いているように新聞や雑誌などに時々書かれていることもあるが、それはどうも余所眼よそめの話で、本当に内部に入って
語呂の論理 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
それから「物理学」の知識がさほど深いとは思われぬ若い娘さんたちが、優れた「物理的」の研究を或る場合には立派になしとげるという良い例が我国わがくにに出たということをうれしく感じた。
「霜柱の研究」について (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)