なら)” の例文
取出し源兵衞といふ餠屋や有と繰返くりかへし改めしに茗荷屋みやうがや源兵衞と云があり是は近頃遠國ゑんごくより歸し人ときゝ及ぶさだめてこれならんと寶澤にも是由を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ぼつちやんがとしもことしは十歳とをか十一にはならう、都合つがうるいは此處こゝうちには一人ひとり子寳こだからうて、彼方あちら立派りつぱをとこといふものだから、行々ゆく/\かんがへるとおどくなは此處こゝおくさま
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
来てお泊りな裏から三人で逃出さアネ、イエ正直な所は私しも最う彼処あすこに居るのは厭で/\ならないのお前達と一緒に逃げれば好かッた、アヽ時々そう思うよ今でも連れて逃げてくれれば好いと
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
知らぬ人に言葉を懸けて何様どんな事が有るかも知れぬ、姿は優しいが油断はならぬと思って言葉を懸けません、其の晩は鳥居峠を越して宮之越みやのこしに泊りましたが、丁度八里余の道程みちのりでございます。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
同十五日北野へならせ給ふに、盲者一人杖してとをり侍るを、秀次公御覧なされ、酒をのませ候へとて、手をひかせ給ふか、即右の腕をうち落し給へり、盲者中々きもをけし、をちこち人はなきか
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
この跡ががらりと早変りして、さても/\和御寮わごりょは踊るふりが見たいか、踊る振が見たくば、木曾路に御座れのなど狂乱の大陽気おおようきにでもなられまい者でもなしと亀屋かめやおやじ心配し、泣くな泣きゃるな浮世は車
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
さし無念ははらしたれど今は此地に住居はならじと直樣すぐさま此處を立去たちさり是よりは名を嘉傳次かでんじあらため大坂へ出夫より九州へ赴き所々を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
取出しヤッと髪の毛の性質だけ調べ上げました(荻)無駄事は成る可く省いて簡単にのぶるが好いぜ(大)ハイ無駄事は申しません先ず肝腎な縮れ毛の訳から云いましょう髪の毛の縮れるには夫だけの原因が無くてはなら
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
ひやうに曰く證文の文字の消失きえうせしは長庵が計略により烏賊いかすみにて認めしゆゑならんか古今に其例そのためし有りとかや
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)