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惚
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のろ
ふりがな文庫
“
惚
(
のろ
)” の例文
「
憤
(
おこ
)
らないでもいゝよ。でも周子、お前
昨夜
(
ゆうべ
)
はよく来たな。どうだい、お父さんが芸者に
惚
(
のろ
)
けてゐたところは、どうだ。……驚いたか。」
熱海へ
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
読者中病身の
細君
(
さいくん
)
を親切に
看護
(
かんご
)
する者あれば、これを
褒
(
ほ
)
める者があると同時に、
彼奴
(
きゃつ
)
め
嚊
(
かかあ
)
に
惚
(
のろ
)
いと批評された経験もあろう。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
なるほど俺のかゝあは吉原の河岸見世にゐた女で、飛んだ
惚
(
のろ
)
けをいふやうだが、おたがひに好き合つて夫婦になつたのだ。それがなんで洟つ垂らしだ。
権三と助十
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
作「今
此処
(
こゝ
)
で
惚
(
のろ
)
けんでも
宜
(
よ
)
い兎に角夫婦仲が
好
(
よ
)
ければ、それ程結構な事はない、時に權六段々善い事が重なるなア」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
東海さんや、補欠の有沢さんを中心とする
惚
(
のろ
)
け話や、森さんや松山さんを囲んでの
色
(
エロ
)
話も、
盛
(
さか
)
んなものでした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
▼ もっと見る
見かけ倒しの
惚
(
のろ
)
い殿様だといって、世間の口の
端
(
は
)
に調子を合わせては笑い物にするのが多いのであります。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
お前もなかなか
隅
(
すみ
)
には置けないね。六十八にもなって許婚とは……さすがの僕も恐れ入っちゃった。それじゃ、まあ、
惚
(
のろ
)
け話の花でもひとつ咲かせてもらおうかい。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
随分ころりと来るであろう、
汝
(
きさま
)
が
惚
(
のろ
)
けた
小蝶
(
こちょう
)
さまのお部屋ではない、アッハハハと
戯言
(
おどけ
)
を云えばなお真面目に、
木槵珠
(
ずずだま
)
ほどの涙を払うその手をぺたりと
刺身皿
(
さしみざら
)
の中につっこみ
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
……どうも
惚
(
のろ
)
けを申上るようで恐れ入りますが……しかし又一方に、私も私です。
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「はアはア、そうでっか、お
惚
(
のろ
)
け筋で、へへへ、どちらまで行きはりました」
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
でも後で私しを世話して置けば
早晩
(
いつか
)
お前が逢い度く成て帰ッて来るだろうッて、
惚
(
のろ
)
い事は
箝
(
わ
)
を掛てるネ日本人に
爾
(
そう
)
して今は何所に、ア
爾
(
そ
)
う本郷に奉公、ア爾う可愛相に、金起さんも一緒かえ
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
「尤もな、
惚
(
のろ
)
けだ」
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
貴公ぐらい女を見ると
惚
(
のろ
)
い人間はないよ、女を見ると勘弁なり難い事でも
直
(
すぐ
)
にでれ/\と許してしまう、それも
宜
(
よ
)
いが、
後
(
あと
)
の勘定を何うする、勘定をよ
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
国会ひらけた暁に、役者に
惚
(
のろ
)
けちゃいられない。日本大事に守りなさい。眉毛の無いのがお好きなら、
癩人
(
かったい
)
を色に持ちなんせ。目玉を剥くのがお好きなら、
狸
(
たぬき
)
と添い寝を
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
毒
瓦斯
(
ガス
)
の中で一心を
凝
(
こ
)
らして考え抜いて来た説明の順序を、今一度、ここで繰返したものらしかったが、そのせいか、こうした甘ったるいお
惚
(
のろ
)
けが、氷のように切迫した人生の一断面を作って
戦場
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
惚
(
のろ
)
けをいうようだが互に書附まで
取交
(
とりかわ
)
して、私は決して他の客へは出ないから
交際
(
つきあい
)
でも他へ
登
(
あが
)
ってくれるなと云うから、己も他へは登ったことはありゃアしない
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「親分さん、ちっと叱ってやってください。
惚
(
のろ
)
けてばかりいて仕方がないんですから」
半七捕物帳:11 朝顔屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
紀伊國屋は土蔵よりなにより大事なものは女房のお村だと云って
度々
(
たび/\
)
惚
(
のろ
)
けを言いますが
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お
前
(
めえ
)
までが一緒になって
惚
(
のろ
)
けるてえことがあるもんか、コウ伊之さんよく聞きねえ、
私
(
わっち
)
アお前さん方の為を思って
飛
(
とん
)
で来たんだ、今日雨降りで丁度仕事がねえから先生のとこへ来てるとよ
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
娼「うそばかり
吐
(
つ
)
いてるよ、毎日
惚
(
のろ
)
けているくせに今夜に限ってさ」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
惚
漢検準1級
部首:⼼
11画
“惚”を含む語句
恍惚
自惚
己惚
見惚
岡惚
恍惚境
活惚
寝惚
聞惚
惚々
空惚
寝惚眼
寝惚声
惚込
寐惚
自惚家
寢惚
惚合
相惚
男惚
...