平常へいじやう)” の例文
此日このひ宗助そうすけかくもとおもつて電車でんしやつた。ところ日曜にちえう好天氣かうてんきにもかゝはらず、平常へいじやうよりは乘客じようきやくすくないのでれいになく乘心地のりごゝちかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
此時このときさき端艇たんてい指揮しきして、吾等われら兩人りやうにんすくげてれた、いさましき虎髯大尉こぜんたいゐは、武村兵曹たけむらへいそうわたくしやうや平常へいじやうふくした顏色かほいろて、ツトすゝめた、微笑びせううかべながら
宗助そうすけはそれから懷手ふところでをして、玄關げんくわんだのもんあたり見廻みまはつたが、何處どこにも平常へいじやうことなるてんみとめられなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
翌朝よくてうになつてると、海潮かいてうほとん平常へいじやうふくしたが、見渡みわたかぎり、海岸かいがんは、濁浪だくらう怒濤どたうためあらされて、昨日きのふうるはしく飾立かざりたてゝあつた砂上しやじやう清正きよまさ人形にんぎようも、二見ふたみうら模形もけいも、椰子林やしばやし陣屋ぢんや
なにらない御米およねまた平常へいじやうとほ無邪氣むじやきそれからそれへときたがつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)