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さしりょう
ふりがな文庫
“
差料
(
さしりょう
)” の例文
亭「へい
中身
(
なかご
)
は随分お
用
(
もちい
)
になりまする、へいお
差料
(
さしりょう
)
になされてもお
間
(
ま
)
に合いまする、お中身もお
性
(
しょう
)
も
慥
(
たしか
)
にお堅い品でございまして」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「これはあり合せ、そなたの年頃に似合うか似合わぬか、それは知らぬ、
下
(
さが
)
り
藤
(
ふじ
)
になっているはずだが、それでも
差料
(
さしりょう
)
にさわりはあるまい」
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
一本しかない刀でもあるまいし奪った刀を、日本中で尤も役人の目の光っている吉原へ
差料
(
さしりょう
)
にして行くなど、盗人心得を知らない事も
甚
(
はなは
)
だしい。
傾城買虎之巻
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
『もう一儀、最後の
御仁恕
(
ごじんじょ
)
を仰ぎまする、私、
差料
(
さしりょう
)
の刀を介錯人へおさずけねがいたく、使用後は、そのまま介錯の者へ
遣
(
つか
)
わしたく存じますが』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
するとお供の者がかねて江戸を出発する時から用意してきた
首桶
(
くびおけ
)
を静々と持って現れる。夢酔が
差料
(
さしりょう
)
をとって
安吾史譚:05 勝夢酔
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
差料
(
さしりょう
)
は
長谷部則長
(
はせべのりなが
)
の刀に
来国俊
(
らいくにとし
)
の
脇差
(
わきざ
)
しであった。喜三郎も羽織は着なかったが、
肌
(
はだ
)
には着込みを
纏
(
まと
)
っていた。
或敵打の話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
常の
差料
(
さしりょう
)
は使いたくなかった。犬を斬るよりけがらわしい、済んだらそのまま捨ててしまおう、と思っていた。
霜柱
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そこに鹿の角の刀
架
(
か
)
けに二口の豪刀、大迫玄蕃が自慢の
差料
(
さしりょう
)
で、
相州
(
そうしゅう
)
お
猿畠
(
さるばたけ
)
の住人、お猿畠の佐平太兼政が火と水を取ったという、新刀中での
稀代
(
きだい
)
の
業物
(
わざもの
)
の据えられてある——のはいいが
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「いや」と駿河守は
遮
(
さえぎ
)
った。「お前が一番適当なのだ。拒むことはならぬ、是非参るよう……新刀なれども堀川国広、これをそちに貸し与える。退治致した
暁
(
あかつき
)
にはそちの
差料
(
さしりょう
)
として遣わそう」
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
どこの田舎の
老
(
お
)
い
武士
(
ざむらい
)
。——一応はそうとしか見えない手織木綿のごつい羽織に
野袴
(
のばかま
)
という
旅拵
(
たびごしら
)
え。——けれど大小が図ぬけていい。立派な
差料
(
さしりょう
)
である。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
武士が
差料
(
さしりょう
)
を摺りかえられたことは話にならぬ、さすがの田中がその当座、
悄気
(
しょげ
)
返
(
かえ
)
っていたという。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
大「シイー、
他
(
た
)
へ預けることも出来ん程の名刀で有るから困って居たが、丁度拵えが合って居たゆえ、
斯
(
かく
)
の如く
差料
(
さしりょう
)
にして居るから、他へ知れる気遣いはない、大丈夫だ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「涌谷さま」と甲斐は呼びかけた、「——お
差料
(
さしりょう
)
を、拝借いたします」
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「重国が、一本
出来
(
しゅったい
)
してまいった。御気に召さば、御
差料
(
さしりょう
)
に」
大岡越前の独立
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
もとより土豪の一族なので、
本鎧
(
ほんよろい
)
ではないが、
籠手
(
こて
)
脛当
(
すねあて
)
をつけ、
差料
(
さしりょう
)
も大振りな陣刀に代えていた。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と言って、よろよろとした足許を踏み締めると、女中が常の
差料
(
さしりょう
)
を取って
恭
(
うやうや
)
しく差出しました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
己
(
おのれ
)
が
企
(
たく
)
みで、惣次郎の
差料
(
さしりょう
)
の脇差へ松脂を
注
(
つ
)
ぎ込んで置きながら、其の脇差を抜いて惣次郎がちょん/\切合ったという処から事が
顕
(
あら
)
われて、富五郎は
何
(
なん
)
といっても
遁
(
のが
)
れ
難
(
がと
)
うございます。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
差料
(
さしりょう
)
になる品じゃねえんだ、二人で腕だめしをやった上に、甚内様へ持って行って
綺麗
(
きれい
)
に納めると、甚内様の供養にもなるし、こちとらの罪滅ぼしにもなろうというものだ。
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
『ムム、自身の
差料
(
さしりょう
)
か。猶よかろう。——して、据物には、何を置くか』
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「西国にもずいぶん変ったのがござるようじゃ、貴殿のお
差料
(
さしりょう
)
などもその一つ」
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
嵐の夜に大分水に
浸
(
し
)
みておりますゆえ、御方様のお心づきでお出入りの
研師
(
とぎし
)
に手入れにおやり遊ばしたまでのこと、その間のお
差料
(
さしりょう
)
には、お部屋に置きましたものをどうぞお使い遊ばして下さりませ。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お松やお君の金さえも融通してもらい、自分の
差料
(
さしりょう
)
をさえ売ろうとした身が、忽ち三百両の金を不用として投げ出して行ってしまったのは、それと共に、絶望に帰するものがあればこそです。
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
云いながら、かれは、自身の短い
差料
(
さしりょう
)
を、帯から
解
(
と
)
いて
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「まあ、こんな結構なお
差料
(
さしりょう
)
を、わたくしに……」
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「結構なお
差料
(
さしりょう
)
でござりまする」
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「これは拙者の
差料
(
さしりょう
)
に相違ない」
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
差
常用漢字
小4
部首:⼯
10画
料
常用漢字
小4
部首:⽃
10画
“差”で始まる語句
差支
差
差覗
差向
差出
差俯向
差別
差当
差配
差置